サンズを相手にしたプレイオフでの一戦。グッドディフェンスをした後のクリッパーズはタイムアウトを要求し、セットプレーを組んだ。
タイムアウトが終わり、スローインを受けたスキンヘッドは、ニヤニヤした表情を浮かべてわざとボールをゆっくりと運ぶ。サム・キャセールだ。

キャセールが加わったクリッパーズはもとからいたエルトン・ブランドやクリス・ケイマン、コーリー・マゲッティーなどが水を得た魚のように活躍。シーズン途中にはカティーノ・モーブリーをトレードで獲得し、そのシーズンのサプライズチームとなっていた。ー余談だが、グリフィンやDJ、クリス・ポールなど今のクリッパーズをを支える面々は当時まだ誰も居ない。

さて、相変わらず焦らすようにゆっくりボールを運ぶキャセール。ディフェンスがお世辞にも得意とは言えないサンズの面々には相当なプレッシャーであろう。キャセールとしてもそれが狙いなのだ。この1プレーの成否がそのままこの試合、このシリーズの行方を決める。会場のボルテージも最高潮に達していた。


「ピィィィィーーーーーー」


不意にレフェリーのホイッスルが鳴る。いったい何があったのか。会場のファンはもちろん、選手も一瞬動きが止まる。
自らのミスにいち早く気づいたのは、先ほどまでニヤニヤ顔を浮かべていたサム・キャセール本人であった。表情は一転し、呆然と頭を抱える。

そう、8秒バイオレーション。バックコートからフロントコートへは8秒以内にボールを運ばなければならない。
試合はそのままサンズボールのスローインから再開され、あえなくクリッパーズのプレイオフは終焉してしまいましたとさ。


以上の内容は私のかすかな記憶だけを頼りに書いたので、ところどころ事実とは異なっていると思います。ですが、8秒バイオレーションを犯す前のキャセールのニヤニヤ、そして笛を吹かれた後の「やっちまった」という表情とNHKのスタジオの雰囲気は今でも鮮明に覚えています。

完全に馬鹿にした内容になっていますが、キャセールっていい選手でしたよね。ゲームメイクはもちろん、シュート力があってポストアップも出来た。最後はボストンで優勝したんでしたっけ?

引退後はコーチの修業を積んでいるようです。ベンチが映し出されると、時々ちらっと映り込む。「あら、懐かしい顔だ」とテンションが上がります。

次回のおもひでシリーズは
ウォーリー・ザービアックのおもひで
ラトレル・スプリーウェルのおもひで
あたりで行こうかな。


Timo