朝から決めていた。

仕事を辞めると伝えることを。

もうこれ以上は耐えられない。



ここはあまりにも理不尽である。

入社してまだ何も分からない新人に、

これでもかという酷い言葉を浴びせる。



彼女たちはいったい何がしたいのか。

新人をいびり辞めさせたいのか。

そう思わざるを得ない環境だ。



そして知ってしまった。

昨年入社した新人が、すぐに辞めたことを。

それはそうだろうなと思った。



今まで経験したことのない悪環境。

理不尽がまかり通っている職場。

だから上司と先輩しか残ってないのだ。
 









統括(優しい)に辞めたいと伝えると、

人事部長と話すことを勧められた。

一抹の不安があったが、話すことにした。



人事部長はきつそうな顔付きをしていた。

統括の仏様のような表情とは別物である。

話す前から不安しかなかった。



私はこれまであったことを話した。

なるべく簡潔に問題だと思われる行為や、

あり得ない状況を必死に伝えた。




   セキセイインコ青←私   ヘビ←人事部長


 

セキセイインコ青「指導があまりにも厳しくて・・」

 

ヘビ「うん、うん、そーよね。

        うん、辛かったのよね。」



セキセイインコ青「大きな声で名前を呼ばれるのが・・」


ヘビ「それはダメよね。大きな声は良くない。」



セキセイインコ青「一生懸命やってるのですが・・」


ヘビ「そっかー、そーよね。」



三文芝居を見ているかのようだった。




すごく親身になって聞いている振りをする。


けれど言葉に感情がまるでこもってない。


人事部長からすると、よくある話なのだろう。




どこにである人間関係の問題なんて、


散々聞いており、飽きているのだろう。


なんだか話して、損した気分になった。




そして、最後にこんなことを言い始めた。



ヘビ「はとこさんのお話を聞きましたが、

      ハラスメントとは限りません。」


セキセイインコ青(えっ、ハラスメント?)←心の声



ヘビ 「彼女には彼女の言い分があるんです。

   お互いの食い違いみたいなものがあり

   ます。忙しい現場では、どうしても声が  

   粗くなることがあります。」


セキセイインコ青(この人は何を言っているの?)←心の声



ヘビ「はとこさんのことは、ずっと聞いていま

  した。でも、ハラスメントとは断定でき

  ない部分もあります。」


セキセイインコ青(訴えに来た訳ではないのに。)←心の声



ヘビ「はとこさんの言いたいことは、

  分かりました。じゃ、あちらからどうぞ。」


セキセイインコ青「えっと、あの。」



ヘビ「はい、あそこが出口です。」


セキセイインコ青「あ、はい。」




人事部長は忙しいのだろう。


きっかり15分で退室させられた。


むろん話の途中である。




部署のパワハラ体質が変わらない理由が、


会社(人事部)にあることが分かった。


形だけの面談なんて要らない。