試験がスタートした。
教室には30名ほどの受験生がいる。
他にも4クラス教室があった。
募集定員30人に、推薦枠10人が含まれる。
一般枠20名に対し、128名の応募なのだ。
競争倍率は5.1倍となる。
教室内は静かで、誰一人話していない。
緊張のピークはすでに過ぎていた。
試験開始時刻まで、じっと席で待つ。
小論文60分、専門科目60分の試験である。
午前中には受験が終わり解放される。
あと少しの辛抱である。
小論文は60分で800文字を書き上げる。
考える間もなくひたすら手を動かす。
消しゴムで消して書き直す時間はない。
最後のまとめが上手くいかなかった。
一番大事なまとめの部分が大枠になった。
でももう修正することができない。
専門科目は解答できる箇所は埋めた。
けど『ここを問題に出すの?』という
重箱の隅をつつくような問題もあった。
統計の計算問題は捨てていたので、
全く分からず当てずっぽうで答えた。
一文でも正解してればと願う。
とにかく一次試験が終わった。
長かったような短かったような。
合格していれば良いのだが。
自分の出せる力は出したと思うので、
他の受験生がどれだけ点を採っているか。
そこに私の合格が掛かっている。
この教室で学びたいと思った。
また戻ってこれるのだろうか。
合格したいと強く願った。