50代後半の派遣仲間がいる。


初めこそ楽しく仕事できていたが、


すぐに雲行きが怪しくなった。




彼女は大変なマイペースである。


人間、年齢を重ねると自己が完成され、


周りに合わせようとしなくなる。




彼女はトイレの度にスマホを持って行く。


どうやら家族に連絡してるようだ。


なぜ分かるかと言うと、自己申告してるから。





     セキセイインコ青←私   UMAくん←50代派遣



UMAくん「今日、長男の誕生日だから、LINEして

  おめでとうのメッセージしてくるわ。」


セキセイインコ青「息子さん、お誕生日なのですね。」



そんなの昼の休憩時間にしろと思うが、


ここで波風を立てたくない。


特に何も言わず、トイレに行ってもらう。




また別のある日のことである。


またしても、スマホを手に持っている。



UMAくん「昨日、うちの母親に電話しなくちゃいけ

  なかったんだけど、時間がなくてできな

  かったから、ちょっと電話してくるわ。」


セキセイインコ青「お母さんに連絡できなかったんですね。」



電話するのに、時間が掛かるのであろう。


しばらくトイレから戻って来なかった。




派遣なので、特に注意はしない。


ただの雇われの身である。


上司でもないし、リーダーでもない。









ある日、社員から仕事を頼まれた。


書類をA,B,Cに仕分けするよう指示がある。


仕分け後、A,Bの書類は受付番号順に並べる。




仕分けし、並び替えるだけの単純作業である。


私はAを並び替え、彼女はBを並び替えた。


すると、こんなことを言い始めた。




UMAくん「Cも番号順に並べておこうかしら?」




いやいや、そんなことは言われていない。


なぜ余計なことをしようとする。



セキセイインコ青「Cは並び替える指示を受けていないので、

  やらなくていいと思いますよ。」


UMAくん「でも時間あるし、並び替えようかしら。」



派遣なんだから、勝手なことするな。


本当に面倒くさい人間である。



セキセイインコ青「社員さんに、Cも並び替えるか確認して

  からの方がいいと思います。」




彼女はむっとしている。


とにかく私に意見されるのが嫌なようだ。




仕事のことで注意してからというもの


彼女の態度は頑なである。


私が何か言うと、強めに反応する。




それはずっと続いた。


一週間以上経っても変わらない。


おしゃべりもしなくなった。




けれど仕事をしない訳にはいかない。


おしゃべりはしなにしても、話す必要がある。


なるべく平常心で話し掛ける。




仕事をする上で話し掛ける。


皆が別々に行動すると進まないから。


別にやりたい訳じゃない。




セキセイインコ青「先にこっちを片付けましょうか。」


UMAくん「これはいいの置いといて!」

 


セキセイインコ青「ここにある書類は何ですか?」


UMAくん「私がやるから書類に触らないで!」




ずっとこんな感じの態度である。


仕事がやり辛いのは言うまでもない。


結局、Cの書類の並び替えは必要なかった。




さらに彼女は力仕事をしない。


審査の書類が入った箱は5〜8kgと重いが、


その箱を運ぶのは私である。




多忙期の派遣は、私を入れて3人いた。


そのうちの1人は首を痛めており、


重い物が持てないとのことであった。




さらに、50代後半の彼女も運ばない。


どうやら膝と腰が悪いらしい。


結局、ほとんどすべての書類を私が運んだ。




3人いて書類を運べるのが、私1人だけ。


派遣会社よ、もう少し人選してもらえないか。


力仕事が必須であること明記してもらいたい。




そんなこんなで、最終日を迎える。


この日をどんなに待ち侘びたことか。


何なら小躍りしたいくらいである。




けれど、私は立派な(?)社会人である。


彼女にお礼と謝罪をした。


派遣は、どこで出会うか分からないから。




セキセイインコ青「〇〇さんに、不愉快な思いをさせて、

  すみませんでした。」

 

UMAくん「まあ、ええ。」


セキセイインコ青「短い期間でしたが、お世話になりました。

  お菓子良かったら、食べて下さい。

  ありがとうございました。」




できることなら、二度と会いたくない。


これからは快適な一人勤務である。


話す人がいなくなるが、ストレスはない。




一緒にいて気を使う人間といるよりは、


一人孤独な派遣の方がいい。


LINEブロックしたのは言うまでもない。