派遣として働く。
都内勤務なのである。
なるべく近くで働きたかった。
けれど仕事がないのだから仕方ない。
毎日、片道1時間、往復2時間の通勤だ。
アラフィフの体力にはこたえる。
けれど私には目標がある。
それは『お洒落になる』こと
せっかく都内勤務なのだ。
周りにはお洒落な女性がいる。
彼女たちを参考にしよう。
そう心に決めた。
美容院へ行ってきた。
1ヶ月に1度、リタッチをしに行く。
つまりは白髪染めである
今回はリタッチ&カットなのだ。
本当は伸ばしたいのだが。。
パーマで傷んだ髪を切る。
いつも同じ美容師さんだ。
彼女はとても優しい。
私のくだらない話を聞いてくれる
仕事のこと、食事に行った時のことなど。
1ヶ月の間にあった出来事を話す。
どれも他愛もない話である。
ふと、私の決心を教えたくなった。
もちろん都内勤務での目標である。
しかし、現実は何も変わっていない。
人に自分の目標を伝えること。
それによって前へ進んで行けるのだ
よし、美容師さんに話そう。
「私、お洒落になろうと思ってるんです。」
ここで予想外の反応がある。
「えっ!?」
それまで動いていた手が止まった。
彼女が驚いているのが分かった。
そんなに驚くことなのか?
「まあ全然お洒落じゃないので、いきなりは
難しいとは思うんですけどね。へへっ。」
「あっ、そうなんですねー。」
「ちょっとずつ服装変えたり、アクセサリー
を付けたりしようかなって。」
「そうですねー。ちょっとずつでいいと
思います。」
「いきなりお洒落にはなれないですよね。」
「そうですねー。それにお洒落ってお金
掛かりますよね。」
まあ別にいいのだ。
お洒落じゃないことは分かっている。
でもそんなに驚くことだったのか?
若干もやもやしながら、帰宅した。