バレエ教室で「宝塚にはまってー」というと。
コンテンポラリーの某先生がダンスオリンピアを観に行って「水美舞斗、凄い」と唸っていたと教えてもらいました。
後日、先生とお会いする機会があって話を伺ったところ。
DANCE OLYMPIA ーWelcone to 2020ー
2020年1月7日~22日 東京国際フォーラム
「この公演は、絶対に失敗できない公演だと噂されていた」と先生が話し始める。
実は、宝塚歌劇団花組には非の打ち所がない正式なトップスター候補(2番手・芹香斗亜さん)がいた。
なのに、それを他の組に追いやってまで2番手にあげたスターがトップに就任する鳴り物入りのお披露目公演だ。
作品の出来・評判次第では、宝塚歌劇団の名誉にかかわるだろうと……。
なのに、蓋を開ければトップスターの声はすでに嗄れていた。
プレッシャーもあったのだろうが、大ピンチだ。
しかし、演出が上手かった。
1部では、主人公はしゃべらず、心の声ですよといった風に録音した台詞を流す。
けれど宝塚歌劇団だ。
歌なし、台詞なしで物語は成り立たない。
そこで、歌い演じ、物語を動かしていったのは、パット/パトロクロス(水美舞斗)だった。
水美舞斗がいなければ、あの公演の成功はなかっただろう!
ダンスも特別だった。
特にオーディションの場面。
あれほどのパフォーマンスを、あの公演回数、まさに心身を削るような働きだったと感じたと先生は振り返る。
2幕の歌も良かったと。
「家に帰り、パンフレットをみて愕然としたよ」
水美舞斗の写真は1ページの半分にも満たない小さな扱いだった。
まだ若いのか。
2部で組の歴史の紹介をするほどの度量もあったが、トップスターよりかなり若く、年功序列でこの扱いなのだろうか。
そう思いながら、最初のページを読むと、トップスターと同期だという。
あれだけの才能を、こんな扱いで……と絶句した。
それでも、懸命に同期を支え。
あの激しいパフォーマンスを連日こなしてきたんだと思うと、水美さんの舞台にかける気迫とあたたかな人柄を感じたと先生が。
話を聞きながら、思わず涙が。
ますますマイティーのことが大好きになりました。