犬の気持ち
髪の毛をしばらく切っていない。
なぜかと言えば、東京来てから、10年間髪の毛を切ってもらっていた、幼馴染が働いていた理容室をやめたからだ。
店が終わった22時頃に店に行き、タダで髪の毛を切ってもらっていた。
なので、街中で見かける1000円Cutですら、お高く感じてしまう。
「辞めても、家に行って切ってあげるよ」という言葉を信じて、電話をかけたのだが、どうやら久しぶりの長期休暇を利用して、トルコに行っているらしい。
何故にトルコなのか?
昔から謎めいていた奴だったから、納得いく部分もあるのだが・・
とにかくしばらくは帰って来ない。
それでも前髪が目の前をチラチラ、サイドの毛がヘルメットからモサモサ、襟足の毛がジャンボ尾崎尾崎。
煩わしくてしょうがない。
仕方なく、同居している妹に切ってもらう事にした。
家で切るので、髪の毛が散らばらないように、ゴミ袋に穴を開けて、それを頭に突っ込み、首のあたりにガムテープを巻きつける。
たまに街中で、体に塗った薬を舐めないように、首にガードを着けた犬を見かけるが
システムは一緒だ。
首元にたまる髪の毛がチクチクチクチク、最悪。
拷問だ。
味方の隠れ場所、貸金庫の番号、取引の時刻。
なんでも吐いてしまいそう。
早くトルコから帰ってきてくれないかな・・