うるせぇよ
今の家は、部屋の前が駐車場になってる。
そこは園芸店の駐車場で、休みになれば「東京に足りないもの、そう!それは緑です」的な顔をしたおじさんおばさんで賑う。
平日はお客さんが少ない分、そこの従業員が配達用のトラックに花を積んでみたり、大きな植木を剪定してみたり、フォークリフトで鉢をはこんだりして結構賑やかだ。
今日だって、9時頃
「プーップーッ」
う・・
「プーップーッ」
うう・・
「プーップーッ」
ううう・・・
「プーップーッ」
うるせー!!!!!!!!!
どんだけ車バックさせてんだよ!!!
何だ?チョロQか?チョロQで配達行こうとしてんのか?
「プ・・」
おお!
「プーップーッ」
なんだ!?何で一回停まる気配見せたんだ?そんなに壁に張り付きたいか?乗ってんのゴルゴ13じゃなかろうな?
こうなったら、こっちにだって考えがあるんだよ。
耳栓!!!
はい!お仕事がんばって下さい。おやすみなさい。
・・・
・・・
・・・-ッ
・・・-ッ
「-ッ」て何だよ!!!!
逆に気になって眠れねーよ!
俺は睡眠を邪魔されんのと、弱い者いじめと、酢豚に入ってる野菜が大っ嫌いなの!
「ガガガガ」
「キュルルル」
「ギュイーン」
おおおう!今日は特に賑やかだな!
もう無理!
週刊賃貸を買いに行こう。
夢中で頑張る俺にエールを貰いに行こう。
愛車にまたがり、キーを回す。
キコキコキコキコ・・
さすがに終わっただろうと、夜になり帰宅。
それでも駐車場からおっさん達の話声が聞こえる。
一体何してんだとベランダに出てみると
おおっ!なんて綺麗なクリスマスツリーなんだ!
朝からうるさいと思ってたらこんな素敵なもん作ってたんかい!
なんだかイライラだけ募らせた自分が恥ずかしいです。
おっさん達の満足気な笑い声が聞こえる
「これで完成だな。」
「後はクリスマスを待つだけですね。ちゃんと寝る時靴下ぶら下げといてくださいよ。」
「そんなことしねぇよバカヤロー。欲しい物って言っても、靴下には裸のおねぇちゃん入らねーだろ?」
「はははははは。笑」
「がははははは。笑」
・・・・・うるせぇ。