ビックリマンに再会
久しぶりにビックリマンを食べた。
小学校の時、全てを失ってもいい位愛していたビックリマン。
小学生の人気なんて、足が速いか、キラキラのシール持ってるかで決まってた。
今は全部光ってるから多少物足りない・・
当時レアなシールが欲しくて、スーパーに行った時
「一つだけ!」
という母親の言葉に納得できず、言葉巧みに妹にもビックリマンを買わせていた。
箱で買う奴もいたけど、俺にそんな財力はなかった。
なんならまわりの奴より貧乏だった覚えがある。
当時皆が乗っていた自転車は、ハンドルとサドルの間に6段階の切り替えが付いている自転車だったけど
俺の乗ってた自転車は親戚のお下がりの「キャンディーキャンディー」の自転車だった。
小学1年生にピンクの籠が付いた自転車はきつかった・・
幼稚園の弁当箱は「ミッフィ」だった。
これもお下がり・・・
皆は「ダイナマン」の書かれたカッコいい弁当箱だった。
周りと違う事が本当に嫌で、泣きながら母親に訴えた事を今でも覚えている。
ジーンズデビューも遅く、一人ジャージで皆と街へ出かけていた。
だから少ない小遣いで、ヘッドが出る事を祈りつつ買っていた。
初めて覚えたギャンブルはビックリマンだったのかなぁ?
でも神様ってのはいるもので、近くに住んでた6年生がヘッドのシールを、どれでも1枚10円で売ってくれた!
1年生よりも早く飽き始めていたんだ。
俺はありったけの金を支払った。
一夜にして、クラスの誰よりもヘッドのシールを手に入れた。
その時クラスで一番シールを持ってたやつが、ランドセルの内側にシールをびっしり貼っていた。
俺はそいつの上に行きたかったから、ランドセルの外側にシールをびっしり貼って登校した。
キラッキラのランドセルが誇らしかった!!
クラス全員の憧れの眼差しは最高だった!
が!
学校は勉強するところです。シールは持って来ちゃいけません。
先生にこっぴどく怒られた。
「剥がして来なさい!」
剥がしたシールは何の価値もなくなる。
俺は家に帰り、泣きながらシールを剥がした・・・
あれ?
あれれ?
あああ・・・
シールがうまく剥がせない・・・
白いシールが所々残って、白カビが生えたような汚いランドセルになってしまった。
結局シールは汚いま残り、6年間「学校一ランドセルが汚い男」として過ごす事になってしまった。
今でも実家にランドセルは汚いまま眠っている。
あれほどあったシールもどこかに消えてしまった。
チョコの匂いのするあのシールはどこへいったんだろう・・