今日は、私たち計測の仕事に携わる者が、必ず悩んでいるであろう事、プリンタについてです。
最近のマラソン大会ではゴール後、完走証を印刷して参加者の皆様にお渡しするというサービスが一般的になりました。
その際、参加人数、レースの内容等を考慮して完走証を発行するプリンタの台数を決めていきます。
少ないときは1セットの場合もありますし、私は過去に24セット用意した大会もありました。
完走証の印刷が完了するまでの時間を大まかに分類すると、
1、入力する時間(人の作業)
2、システムの処理時間(ソフト面)
3、パソコンの処理時間(ハード面)
4、プリンタの処理時間
以上の時間の合計が印刷されるまでの時間になります。
2、3、については昨今のPCスペックやアプリケーションの性能が向上した事もあり、ほぼ問題無いくらいまで改善されました。
1、は結構大きいのですが、今回は置いときます。
今回は4、プリンタについてです。
皆さんご存知の通り、プリンタも最近はいろんな機能が付いていてPC無しで印刷できたり、スキャナなんかも付いていたり、写真印刷に特化していたりと、年々機能が向上しています。
PCと同じで印刷処理自体はこの10年で速くなってはいるのですが、いかんせん印刷前の処理時間が年々長くなっています。
ヘッドのクリーニングなり、内部データの最適化処理なり、その他諸々、よく判りませんが、いろんな処理をしているのでしょう。高解像度の写真を印刷で再現するにはそれくらいの処理が必要なのかもしれません。
ただ、マラソン大会の完走証は基本的に黒1色で、テキストや簡単なグラフ等を印刷します。
ですので、最近のプリンタに標準装備されている様々な多機能はまったく必要ないんですね。
「印字前の処理時間なんて、ちょっとした事でしょ?」と思われるかもしれません。いやいや甘いです。
例えば、1セットのプリンタに100人の方に完走証を発行するとして、1枚印刷するのに5秒の差があった場合は500秒(8分30秒くらい)遅くなります。
その8分30秒の間に次々とランナーはゴールしますので、その分列はどんどん長くなっていくという事です。(しかも実際は5秒なんて差じゃないです。よろしければお家のプリンタで1枚目の印刷が印刷ボタンを押してから何秒後に印刷されるか試してみてください)
プリンタによって、それほどの差が生じるのです。私が頑張ってシステムを作り直して1件の処理を0.5秒短縮させても、プリンタ一つで0.5なんて簡単にぶっ飛んでしまう訳です。
私が完走証用プリンタの名器と呼んでいた「キャノン PIXUS560i」もヤフーオークションですら見る機会が減っていき、ますます私を満足させてくれるプリンタは無くなっていっています。
まあ、嘆いていても仕方がないので、先日からメーカーへの先入観を取っ払い、いろんなプリンタを試しています。100%自分を満足させてくれる「PIXUS560i」的なプリンタには出会えていませんが、現状のベストプリンタを探していこうと思います。
皆さんもマラソン大会に出られた際には、そういう視点で完走証発行所のプリンタを見てみると少し面白いかもしれませんよ。