このような生活をするようになってから、一年と少しが過ぎた頃、学校から小学校新入学生対象の健康診断の案内がきました。

 

覚悟はしていたものの、現実を前にして私はとても動揺しました。ホームエデュケーションを行っている親子が集うホームページで他の人の意見を求めました。

 

私の不安に対して同じような経験をされた方から、すぐに応援のメッセージをもらうことができ、「私は一人じゃない」と勇気が湧いてきました。

 

予想通り遊世は健康診断に行くのを嫌がりました。しかし幼稚園をやめてから、もう一年以上経っていましたし、幼稚園と学校は違うので「もしかしたら大丈夫かな?」という思いもありました。

 

そこで「行くだけ言って見て、いやだったら帰る」と約束をして学校へでかけました。けれども遊世の飯能は私の想像を上回るものでした。

 

校門を前にすると、遊世の足は動かなくなってしまったのです。「動かない」というよりも「動けない」。嫌がったり、何か文句を言うのではなく、身体自体が反応していたのです。私が「行きたくないの?どうする?」と尋ねても、言葉すら出ず、吐きそうにも見えました。

 

そして5分ほど経った頃「帰ろうか」と声をかけると、ようやく動けるようになり、私たちは帰宅しました。

 

家で遊んでいる様子を見ると、てっきりもとの元気な遊世に戻ったのだと思っていました。しかし、幼稚園の体験がまだ遊世の心と身体に残っているのだと改めて感じ、遊世に申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

 

この経験をさかいに、私の中で「学校」という選択肢が消えたのです。