まだ遊世のように「ダメよ!」といわれても負けじとチャレンジする子はいいのですが、妹の麻央は遊世と違い、聞き分けの良い子でした。
 
まだ1歳の頃、水溜りをみつけ、ニコッとして「バチャバチャ」をしに行こうとしたとき、私がつい口が出て「ダメよ!」と言ってしまったことがありました。
 
するとピタッと足を止め、クルッと向きを変え、私のところに戻ろうとしました。
このとき「子どもの意志を尊重するんだった」と思い出し、私もニッコリ笑って「ごめん。間違えた!バチャバチャしていいよ」と言い直すと、うれしそうにまた水溜りに入って行き、遊び始めました。
 
「ダメよ!」に代表されるような親や大人の禁止用語の積み重ねは、思った以上に子どもの心に刻まれます。
その繰り返しが「やってみよう」という意欲をなくしていくことになるのだと思います。
私自身、親から「意志のない子」と言われ、自分でも「そうなんだ」と思い込んで生きて来ました。
 
大人になってからも、意志の弱さから、他人に迷惑をかけたり、後悔したことが何度もあります。
ですから自分の子どもには自分のやりたいことをはっきり言える、意志を強くもてるような子どもに育てたかったのです。


(月刊波動2006より)
つづく