現代において『映画』という総合芸術を鑑賞するのに、もっとも便利な世の中になったと言えるでしょう。
映画館、DVD、ブルーレイ、BS放送、CS放送、ネット配信サービスなどなど、私たちが、映画を鑑賞するために選択する方法は、多種多様です。
そして、最新の作品から、古典的作品まで、全てのジャンルに関して鑑賞できる術を得ています。
そのような多種多様な映画の中から、「もっとも感動した作品は何?」と聞かれることが、よくあります。
これって、結構、難しい質問です(笑)
感動の種類や度合いなどなど、考えたらキリがありません。
全ての作品を鑑賞したわけではないですから、選ぶ作品も限定されます。
前置きが長くなりましたが、これまで鑑賞してきた中で、オススメの感動作品を今回一つピックアップします。
その映画の名は、
『セントラル・ステーション』です。
1998年のブラジル映画となります。
(あらすじ)
ある老女と母に先立たれた少年が父親探しの旅に出るロード・ムービー。
リオ・デ・ジャネイロの中央駅にて代書業を営むドーラのもとに、息子を連れた女性が夫への手紙の代筆を依頼にきた。ところが手紙を書き終えた後、その女性は事故で死んでしまう。ドーラは一人残された男の子ジョズエをみかねて家に招き入れる。子供の面倒など見る気のないドーラだったが、仕方なくジョズエを父親のもとへ行かせようと、一緒にバスで旅に出るのだった。
このドーラを演じた女優が、フェルナンダ・モンテネグロさんです。
非常にリアリティの深い演技をされていて、見事です。
映画の出だしは、人生の晩年、疲れ気味な老女そのもの。
しかし、少年との長旅の中、女性としての生き方、人生の渦の中で翻弄されながらも、自分を取り戻していく様を赤裸々なまでに演じておられます。
もう10数年も前の映画ですが、公開当時から、非常に評判でした。
「良い俳優(良い演技)は生活感がある。」
これは演技の神髄みたいです!
まさに、フェルナンダ・モンテネグロさんの演技は、まさに『生活感の極致』でしょう。
〜どこにでも居そうな、ありきたりの女性をありきたりに演じること〜
これは、演技において、もっとも難易度の高い芸当でしょう。
つまり、大げさな身振り手振りを駆使したり、メイクで誤魔化したりすることができない、リアリティのクオリティの高さが求められる演技です。
いかにも、そこに、その人自身が存在し生活をしている、、、。女優が一生懸命に役を演じているようには見えない。
人生の晩年という『岐路』に立たされ、ブラジル国内の騒騒しい町にて、不安の最中に生きながらも、少年との出会いと旅が、自らの過去を浄化していく。
それは運命の仕業なのか?
自分の意志なのか?
あるいは、神の導きなのか?
ドーラの人生模様に関する描き方が、スピリチュアルなレベルにまで達しているかのような感覚を持ちます。
ぜひ、皆さん、ご鑑賞ください。
ブログのタイトルにもあるように、すべての世代にオススメしたい、ロード・ムービーです!!
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