駅前のイルミネーションに年末感が漂っています。

あっと言う間の一年ですね。

 

 

 

 


二宮忠八という人物をご存じでしょうか?

おそらく、相当な飛行機マニアか愛媛県出身者でなければ知らないかも知れません。
所説色々とありますが、ライト兄弟より先に飛行機の原理を発案したとされる人物です。



歴史というものは曖昧なもので、その時代時代の中でグローバルに同時進行している事柄を正確に捉えることは不可能です。よくある時代描写として「誰が勝った、負けた」といったヤクザの抗争事件的なものを学校教育では教えていますが、そういう上っ面な歴史論は人生にとって大した意味はありません。

そんなことより、その時代の人達は何を食べて生きながらえてきたのか?
というライフハック的な知識のほうがよほど有用かもしれません。
人は生きるために生きているのですから。



彼は「忠八凧」という凧を作って販売した事もあったようです。
その凧作りの延長で「カラス型飛行器」というゴム動力の模型飛行機を作成したようです。



「飛行機」ではなく「飛行器」としているのは彼独特の表現です。
当時はまだ人が乗れる飛行機は発明されていなかったので仕方のないことでしょう。

この模型飛行機は、その20年前、フランスのアルフォンス・ペノーによって作られた「ペノーの飛行機」をベースにしたものだったようです。

その後に「玉虫型飛行器」という人が乗れるサイズの飛行機を考案しましたが、これがライト兄弟より早かったとされています。




人類は、太古の大昔から空への憧れがありました。
空を飛ぶ鳥を見て、その速さと高低差を自由に移動できることに憧れたのは当然でしょう。
なので、空を飛ぶ方法を太古の昔から試行錯誤していたと思われます。


有名なレオナルドダビンチは空飛ぶためのヘリコプター?のような機械を考案したとされています。もちろん、このデザインでは飛ぶことは不可能ですが・・・w



こういった発想はダビンチだけでなく一般人も含めて数多の発想があったと思います。
そのようなものが様々に影響し合い、歴史の知恵として引き継がれて来たはずです。
なので、誰がデザインしたか?ということにさほど意味はありません。
天才ダビンチも人の子なのです。

 

 


話が反れましたが、二宮忠八が考案した「玉虫型飛行器」は実際には飛行していません。
開発をする資金がなく、ライト兄弟に先を越されたとされていますが、
おそらく、資金があってもこの機体は飛ばなかったと思います。

当時の富国強兵の軍事的な教育配慮からか?英雄的に評価されたように思います。


彼が作ったとされる模型を見ると、無尾翼機で後方に大きなスクリューのようなプロペラあって全体的にアンバランスです。

12馬力程度の小さなエンジンで回るようなプロペラではないので推進力は期待できなかったと思います。滑走ぐらいはしたかもしれませんが、このままではまともな飛行は無理だったと思います。

推進装置が主翼より後方にあるプッシャー機は何度か作りましたが、主翼の迎え角度と推進装置の出力方向に独特な調整が必要ですが、そういった配慮が模型には見られません。
そもそも無尾翼機はバランスをとるのが相当に難しい機体です。

その点、ライト兄弟の機体は前方に水平翼のエレベータがあってうまくバランスをとっています。プロペラも細く2つに分けることで、小さなエンジンでも効率よく推進力を得られる仕組みになっています。 結果として世界初の飛行に成功したわけです。




気になったのは「玉虫型飛行器」ではなく「忠八凧」です。
忠八凧はよく飛んだとされています。

国立国会図書館デジタルコレクション 「二宮忠八伝」
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1718937/20

飛行には関係ありませんが、風車を付けた凧も考案していたようです。

当時の一般的な和凧は四角い板状の凧に足を付けてバランスをとったものでした。
風に対して迎え角を付けた糸目で糸を引くことで飛行します。



よく飛行機の翼の揚力についてベルヌーイの定理で説明されていますが、あれは全くの間違いではありませんが、実際の飛行に必要な揚力は風に対する抗力によって発生します。

つまり翼の腹に風が当たることで上に押し上げられる極簡単な物理現象です。

凧が空を飛ぶのもこの原理を利用しています。
もしベルヌーイの定理だけなら凧は飛ばないはずです。
トンビがくるくると円を描いて上昇気流に乗って飛ぶのもこの原理です。


今回、目指すのは普通の凧ではなく、飛行機的な滑空機能を持ったグライダー凧です。

綱を引っ張ることで飛び立つグライダーのように、トーイングで上昇してその後に滑空するものです。簡単にはこんなデザインでグライダー凧になります。


 

 

 

グライダーをけん引するように、糸目は一般的な凧より前方に付いています。
風に押される力より、前進するベクトルが必要になります。

なので厳密には凧でなくグライダー(飛行機)なのかもしれません。
人が乗るハンググライダーと同じような原理とデザインになります。


 

 

 

飛び立った後は翼で空気を押さえながらゆっくりと滑空するので、バランスが合えば前進して飛行します。

普通の凧と決定的に違うのは、頭上を飛び越えて飛行することができることです。
この飛び方は一般的なスポーツカイトでもできません。

 

 


ラジコン飛行機が流行る前にUコン飛行機というものがありました。
小学生の頃、学校のグランドで高校生達が飛ばしているの見たことがあます。
 

Uコン機は、動力付きの模型飛行機の翼端に2本のラインを通して、そのラインで飛行機のエレベータだけをコントロールする仕組みになっています。なので操縦者を中心にグルグルと円を描く飛行しかできませんが、エレベーターをコントロールして宙返りや背面飛行はできました。

 


今もマニアの愛好家がいますが、スピード競技ではまるで弾丸のように高速飛行します。

 



思ったのは、このUコン機の凧バージョンは出来ないのか?という妄想です。
ちょっと考えれば無理っぽいのはわかりますが、ワンポイントで飛行方向を変えることぐらいはできるかもしれません。 昔のシングルのラジコンのようなものです。

あるいはけん引用のライン以外に、コントロールラインを設けられば飛行方向を変えることができるかもしれません。子供の頃にあったハンドル付きのリモコン自動車のようものです。



あのワイヤー式のハンドルを付けばプロポーショナルなコントロールが可能かもしれませんね。 おそらく、ラインが重過ぎて飛ばないでしょうが・・・w


色々と話のネタは尽きませんが、

これも航空法の改正に伴う対応策の副産物だと考えれば、案外と面白いネタ振りだなと思えてきました。 レギュレーションが狭ければ狭いほど燃えるタイプです。w

つまり、弱者は与えられた環境でしか生きられないということでしょうね。

ちっちゃいなー ・ ・ ・ w

続く