近年、この時期になると花粉症の話を聞かない日はありませんが、この病気、私が小さい頃はほとんど聞いたことがありませんでしたが、今では日本特有の病気とも言われています。

スギ花粉症によるアレルギー反応は年々悪化してきているようで、人によっては生活に支障が出るほど悪影響が出ています。このままでは生存に致命的な事態になりかねないかもしれません。

スギは日本固有の植物ですが、北海道や沖縄にはスギ類が少ないので比較的に花粉症のひどい症状が出ないようです。スギの植林は江戸時代から行われていたようですが、花粉症が確認され始めたのは昭和40年頃からのようです。

戦後、焼け野原となった都市の復興のため、国策として大量のスギが植林されました。
日本の国土の70%ほどが森林ですが、その内の40%ほどが人工林となりました。

しかし、その後の高度経済成長とグローバル化のなかで、人工林は活用されることもなく林業自体も衰退化してきています。戦後70年、そのスギが成長し大量の花粉を巻き散らかしているわけです。

イメージ 1

「自然を守るために植林しましょう」的なキャンペーンや補助事業はいまだにありますが、人工林は自然林と違ってその森に住む動植物の生態系も破壊してしまいます。

自然林では鳥や動物たちが、自分達が食べたいものを食べ、その種を森に落とすことでその種の植物が繁栄して、そこで暮らす動物達にとって豊かな森になっていきます。

しかしスギやヒノキのような防虫効果が高い樹木の周りには昆虫類は繁殖しません。結果、食物連鎖もうまく行われず、最終的にはその森に住む哺乳類などの大型動物にも悪影響を及ぼします。最近、シカやサル、イノシシなどが人里に下りてきて鳥獣被害も増えていますが、森が人工林で痩せ細ってしまったことも原因かもしれません。

人工林はあくまでも人が勝手に作り上げた人工物であって、自然環境を守るのではなく自然破壊に近い真逆の行為とも言えます。本当に自然環境を守るのであれば「何もしない」というのが正解です。本来守るべきは自然林であって人工林ではありません。

自然とどう係わって生活していけばよいのか?
そのバランスを考えることが重要だと思います。

花粉症の根本的な対策は、人工林から自然林へ戻すしかなさそうです。
先進的な国ではそういった取り組みがすでに始まっています。

大海に釣り糸を1本垂らす程度の関わり方が自然と人の正常な関係かもしれません。
ちなみに私は山猿なので今のところ問題はありません。w