アホなTPPに賛同してる方の気がしれませんが、農業のグローバル化なんて本気で考えないほうがいいと思います。すでに負け組の日本がさらに食い荒らされるのが落ちでしょう。
そんな話の矛先をすり替える手段の一つとして、トラクターなどの自動運転によるロボット化が話題になっていますが、これがどれほど現実味のない話かというお話です。
基本的に農業は手間仕事です。
植物の成長を世話をして、その手間賃を稼ぐ仕事です。
面倒で細かな作業も沢山ありますが、その労働の対価として収益があります。
植物の成長を世話をして、その手間賃を稼ぐ仕事です。
面倒で細かな作業も沢山ありますが、その労働の対価として収益があります。
「自動で動くロボット・トラクターがあれば大幅に労働環境が改善されるだろう」と考えるのは素人の発想です。大体、トラクターなんて年に数回しか稼働しません。
例えば水田でコメ作りをする場合、荒鋤が2回、水を入れて1回程度です。
普通サイズの田んぼなら1回の耕うん作業に1時間もかかりません。
つまり1つの水田で年間3時間ほどしか使わないのです。
普通サイズの田んぼなら1回の耕うん作業に1時間もかかりません。
つまり1つの水田で年間3時間ほどしか使わないのです。
通勤で毎日1時間ほど乗用車に乗るのとわけが違います。
たとえトラクターが全自動になったとしても、ほんの数時間の余暇ができるだけです。
そのためにどれだけのコストが払えるでしょうか?
たとえトラクターが全自動になったとしても、ほんの数時間の余暇ができるだけです。
そのためにどれだけのコストが払えるでしょうか?
畑で野菜を作ったとしても、作付単位に年に数回耕うんと畝立てをする程度でしょう。
トラクターは必要な機械ですが稼働率は極めて低い機械なのです。
トラクターは必要な機械ですが稼働率は極めて低い機械なのです。
もちろんロボット自動化しても効率性は全くかわりません。
寧ろそれを監視する手間がかかるくらいでしょう。
それなら自分で乗ったほうが楽しいです。
寧ろそれを監視する手間がかかるくらいでしょう。
それなら自分で乗ったほうが楽しいです。
今話題の自動車の自動運転でも万が一事故が起こったら製造者責任ではなく使用者責任にするようです。
その流れからすると農機のトラクターなんて確実に使用者に責任を押し付けてくるでしょうから放ったらかしの全自動運転なんて恐ろしくてできません。農業機械による年間の事故はかなり多いのです。
その流れからすると農機のトラクターなんて確実に使用者に責任を押し付けてくるでしょうから放ったらかしの全自動運転なんて恐ろしくてできません。農業機械による年間の事故はかなり多いのです。
さらに田植え機やコンバインといった特定作業にしか使えない機械はもっと不効率で、年間の稼働がほぼ1日だけで364日間は納屋のスペースを占拠しているだけです。ロボットによる自動化なんてやってもちっとも効率化になりません。
アメリカや北海道のような広大な土地で一つの圃場が数万㎡のような場合は別ですが、
国土のほとんどが山岳列島の日本では、ほとんどの地域では河川域の猫の額ほどの大きさの平地しかありません。そのため先人たちは苦労して段々畑を開墾して少しでも農地を増やそうと努力してきたのです。
これが日本型農業の大きな特徴です。
国土のほとんどが山岳列島の日本では、ほとんどの地域では河川域の猫の額ほどの大きさの平地しかありません。そのため先人たちは苦労して段々畑を開墾して少しでも農地を増やそうと努力してきたのです。
これが日本型農業の大きな特徴です。
ちなみにトラクターは1台数百万円から数千万円もします。
中には高級車どころかスーパーカー並の値段がする機械もあります。
そこにGPSやコンピュータを搭載して自動化すれば値段がさらに跳ね上がるのは必至です。
いったい誰が買うんでしょうか?
中には高級車どころかスーパーカー並の値段がする機械もあります。
そこにGPSやコンピュータを搭載して自動化すれば値段がさらに跳ね上がるのは必至です。
いったい誰が買うんでしょうか?
最近ではセンサーを利用して気温や湿度、照度の圃場管理をスマホでできるサービスなんてのもありますが、自然相手にチープなセンサーがどれほど有効なのか?大いに疑問です。
実はこれらの機械類は農家の収益をうまく吸い上げる仕組みだったりします。
肥料や農薬、種といった農業資材品も同じビジネスシステムになっています。
無駄に雑草を枯らす除草剤なんて最たるものですが、その元締めはモンサントだったりします。
うまく考えたものです。
肥料や農薬、種といった農業資材品も同じビジネスシステムになっています。
無駄に雑草を枯らす除草剤なんて最たるものですが、その元締めはモンサントだったりします。
うまく考えたものです。
根本問題として、まず見た目が綺麗でないとダメとか、糖度が何度以上とか、本来の農産物の価値とはかけ離れた価値形成がされてきていますが、その見かけの品質を作り出すためには高価な機械や化学肥料に農薬が必要な仕組みに作られているわけです。
つまり市場需要から作られた仕組みなのかもしれません。
つまり市場需要から作られた仕組みなのかもしれません。
冒頭のとおり、農業はあくまでも手間仕事で、手間を惜しんでは収益は下がる一方です。しかし、肉体労働は苦痛をともない大変な作業なので、そこに甘い仕掛けが入り込むわけです。
我が家にもプロ農家のジジが保有する、大型トラクターが1台と中型トラクターが1台、小型が1台と耕うん機が2台と管理機が数台、中型の田植え機が1台、大型コンバインが1台、乾燥機1セット・・・数えきれないほどの機械で溢れています。
ある意味、トラクターは農家のステータスだったりします。
小市民が小銭を貯めてレクサスに乗りたがるのと同じ心理です。
最近、あのピカピカの大型トラクターが稼働したのを見たことがありませんが、あれはきっとジジの自慢の宝物なんでしょう。
おそらく値段は高級レクサス車並みだと思います。
小市民が小銭を貯めてレクサスに乗りたがるのと同じ心理です。
最近、あのピカピカの大型トラクターが稼働したのを見たことがありませんが、あれはきっとジジの自慢の宝物なんでしょう。
おそらく値段は高級レクサス車並みだと思います。
まっそういう虚栄心を煽る心理作戦もメーカーの戦略だったりします。
「馬力では負けたくない」ってね。(笑)
「馬力では負けたくない」ってね。(笑)
きっとロボット化もこの作戦で売り込んでくることは間違いありません。
「となりはロボット・トラクターを購入しましたよ」ってね。
「となりはロボット・トラクターを購入しましたよ」ってね。
・・・心配