本なんて滅多に買いません。
読書は毎朝のトイレタイムに雑誌をチラ見する程度です。

我が家に光回線が入って以来、情報の入手先はほぼインターネットに限定されています。
毎日目を通すだけでも追いつけないほどのお気に入りブログやニュース情報で溢れているので、紙媒体まで手を出す余裕なんてないのです。

そんなトイレの愛読タイムのお気に入りはBookoffで税込108円でしたか買わないBE-PALです。
アウトドア&キャンプなどの情報やグッズなどのアイテムを紹介する雑誌です。
毎月発行されていますが、自然を相手にした情報誌なのでそんなに時代で内容が大きく変わることはありません。だから数年前の古い記事を読んでも全然違和感がないのです。

そのBE-PALのあるコーナーに寄稿されている方に興味を持ちました。
探検家でノンフィクション作家の角幡唯介(かくはた ゆうすけ)さんです。

機会があるたびに、同じ匂いのする人にはお勧めしている方ですが、ブログも公開されています。
お試しに一つ読んでみてはと思います。お勧めは先日投稿されていた「おちんちん」です。
探検家らしからぬタイトルと内容ですが、彼のちょっと変わった視点とユーモアのセンスがうかがえるかと思います。



今、その角幡さんの本を2つ同時に読んでいます。
1つは『空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』
開高健ノンフィクション賞などを受賞している作品です。
ツアンポー峡谷という前人未到の地を探検した話です。

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もう一つは『雪男は向こうからやってきた』というまるで小学生をだまして金を巻き上げるようなふざけたタイトルですが、私はこういうUMA(未確認動物)っぽいのが大好きなのです。

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いすれも探検ルポですが、山に興味があればなお楽しく読めるかと思います。
残念ながら、私は低山の野山を徘徊するハイキングには興味がありますが、本格的な登山には全く興味がありません。というか何が楽しくてそんなところに登る必要があるのか?理解に苦しむ側の人間です。
まっしかし、本の内容はそれなりに楽しく読み進めています。

『空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』
この話は2002年12月10日の出発前夜から始まっています。
ノンフィクションはこの時間の記載が大切です。

2002年の12月と言えば、私的には40手前の脂がのってきたころで、仕事的には大きなプロジェクトを任され休日返上で走り回っていた時代です。子供はまだ幼稚園のあたりをウロウロしてる状態で、人生のアクセルを踏みっぱなしの爆速で駆け抜けていた頃です。

ドキュメンタリーとノンフィクションでは若干違うかもしれません。
ドキュメンタリーとはまさに記録映画のような混じりっけなしのそのままの生の状態ですが、ノンフィクションはフィクションではないものの、そこに作者のフィルターを通して比喩や誇張も多少は含まれるものです。おそらく記憶の曖昧さというのもあるはずです。
つまり、あくまでも風景画をデッサンしたような作品であることは間違いありませんが、そもそもが作者のリアルな体験を元にしているだけに、その作者の人生の出来事を共有する体験をすることになります。
ここが小説と全く違うところで、私が小説は読まない大きな理由です。

ノンフィクションを読み込んでいくと、作者の人生そのものを疑似体験することになるのですが、そうなるとこの人の人生全体像が非常に気になるし、何故そこに至ったのか?という理由がそれを読んでいくためのバック情報として必要じゃないかと思います。

ネットで調べると作者の手記や講演のビデオなど様々な情報が出てきます。
まずはそれらをザックリと頭に入れてからこの本を読むことをお勧めします。
そうすると、どうして彼がそこに至ったのかという軌跡がおぼろげに見えてきたりします。
それこそがノンフィクションの楽しみそのものじゃないかと思うのです。

ブログも投稿者のリアルな体験に基づいているものが多くて、その書き手のリアルな人生を疑似体験出来るのが魅力になります。
だから、どこかで写してきたようなコピペの情報しかないブログには何の価値もないのです。
もちろん、コピペでも多少は編者の思いが入るのでしょうが、大部分は無駄な重複情報になります。
つまり、先日アップしたような面白おかしいビデオを集めたようなブログは大した価値はないのです。


その気になれば1日で読める内容の本ですが、それではもったいないのです。
トイレ文庫に所蔵し、毎日数ページづつ、時々息を止めて下っ腹に力を入れながら読んでるわけです。

ちなみに本はアマゾンで買いました。もちろん中古です。
「空白の五マイル・・・」は102円で「雪男は向こう・・・」は49円でした。
いずれも送料が300円ほどと本体の3倍から6倍ほどかかりましたが、費用はアマゾンのアフリエイトから頂いたギフト券で支払ったので実質は無料でした。

まっそんなことで、夢の続きを見てるように、毎朝チベット辺りまで出かけて山に登ってるわけです。
できればもう少し布団に潜り込んでいたいのですが・・・