和歌山県知事の仁坂さんが、高浜原発の福井地裁決定に対して「判断がおかしい」と批判したようです。

「原発のリスクをあんなに極大化するなら、別のリスクはもっとある。電気代がかさんで企業が倒れたら誰が責任をとってくれるのか。原発の技術について、そんなに知っているはずがない。裁判長はある意味で謙虚でなければならない」

と述べたようです。
なんとも次元の低い話でがっかりです。

まっ、元経済産業省の官僚なので頭の中は「金、金、金・・・」なんでしょうが・・・
目先の小さな利益にとらわれて先の見えない方のようです。

愛と金は盲目なのです。これ全て人の欲というものです。
日本には三権分立があってよかったと思います。

そもそも県知事の身分で裁判官の判断に意見する立場ではありません。
二坂さんのように、技術とか科学には絶対的な信頼と尺度があると勘違いしている方も多いようですが、
科学というものは実に曖昧なものなのです。

もし、科学や技術や絶対的なものであれば、飛行機を作るのにテスト飛行なんてしません。
単純に設計して組み立てて離陸すれば飛ぶはずです。

しかし、現実は模型を作って風洞実験を繰り返し、実機でも相当なテスト飛行をして初めて飛ぶのです。
つまり「飛ばしてみないと分からない」というのか現在の科学力です。

科学が絶対なら、イーロン・マスクさんのロケットだって一発で着陸できるはずです。

SpaceX Rocket's First Stage Crashes During Landing Attempt | Video

https://youtu.be/GeIHJ-i7yVk

理想と現実という言葉があるように、科学は人が作り出した理想であって、現実ではないのです。
その曖昧さに大きなリスクが隠れていることを理解しておく必要があります。


福井地裁はナイスな判断をしたと思います。
鹿児島地裁は火山噴火予知連絡会長の東京大学の藤井教授の指摘のとおり、しっかり検討がされていないようです。

最高裁の司法が示す「万が一にも事故を起こさない」明確な基準と、経済界が仕切るブラックな政治ヤクザとの違いは、誰の立場に立って物事を考えるているかの違いだと思います。

本来、政治は国民の立場に立つはずですが、現在は違うようです。
まさにガバナンスが問われる時代になったと思います。


下記の記事は実に分かりやすい説明です。
是非一読ください。

福井地裁はなぜ高浜原発を止めたのか(地震の話を中心に)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/watanabeteruhito/20150416-00044872/


もはや今の政治にはコンプライアンスなど欠片もなく、
ただただ企業利益のみを追求するコーポラティズムの社会になりつつあります。

経済界はどうしても原発を動かして、余った電力で水素を作って一儲けしたようです。
そんな社会に未来はあるのか? 不透明になりつつあります。

やれやれなノー天気の平成無責任世代です。