造船プロジェクトは実に楽しいです。
材料にしてもデザインや寸法にしても、工作手法も何のレギュレーションもありません。

もちろん完成したボートでどこに進むか、道もなければ標識もありません。
全てが自由です。
あえて言うと予算でしょうか?・・・

つまり自由を求める活動を具現化したものが造船プロジェクトなのです。

まだまだ初夏、夏はこれからが本番です。
今年の夏は造船プロジェクトに挑戦してみてはどうでしょうか?
夏休みの工作にもピッタリです。

ブラダンの折り畳みカヤックも竹で作ってバンブーカヤックも無事成功しましたが、
今年の夏の内にもう一艇、造船したいと思っています。

方向性は2つあります。
一つは発泡剤でサーフボード型のシットオンカヤックを作るプロジェクトと、
もう一艇はコンパネで折り畳みボートを作るプロジェクトです。

さてどちらにするか?・・・問題は予算です。

夏向けには水と同化するシットオンカヤックが楽しそうですが、
じっくり作ってオールシーズン楽しめるのはコンパネボートでしょう。
例えばこんなものはどうでしよう?

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造船プロジェクトの最初の一歩は浮力計算です。
大体の浮力計算は簡単で、排水量がどれだけか計算するだけです。

縦長 × 横幅 × 高さ = 体積 = 排水量

たとえば・・・
200cm × 50cm × 10cm = 100,000立方cm
つまり全体で約100kgの浮力があることになります。

自分の体重とボートの重量を加味すれば喫水線がどこら辺にくるかも想定できます。
体重70kg、ボートが10kgなら喫水線は8cmとなります。

2cmの余裕だと水で濡れちゃいますが、サーフボードなら全くOKです。
カヤックなど先のとがった形状の場合は適当に半分程度に想定しておけば十分です。

これなら小学生でも計算できると思います。
問題は強度で、水圧やある程度の衝撃で壊れない構造体が必要です。

ただ水上は陸上と違うのは水に触れる船体全体で均等に力が分散されることです。
この点をうまく利用すれば水と一体化してある程度の強度あるデザインができると思います。

あのバンブーカヤックも陸上で乗ると竹が割れて簡単に壊れます。
原因は地面と接する一部の竹の一点に力が集中するためです。
でも水上なら全然問題ありません。

大きな原油タンカー船も縮尺すると薄い鉄板で出来たボートです。
もし陸上で原油をいっぱいに入れると破裂して壊れると思います。
でも水上なら平気です。その編がボート作りの楽しいところです。

是非に造船プロジェクトにチャレンジする方が増えることを期待しています。


話は変わりますが・・・

最近は川で遊んでいる子供をご近所でも見かけなくなりました。
大人たちが「川は汚くて危険なもの」という意識を植えつけたためです。

河川もコンクリートで固めて生物の住めない川にしてしまいました。残念なことです。
川遊びから沢山のことを学ぶ機会すら与えられない子供たちが不憫です。

先進的な取り組みをしている海外の事例では、
一度コンクリートに固めた河川を再び砕き割り、元の自然な姿に戻す作業が行われています。
その川で子供たちを遊ばせることでより深い教育も進めているようです。

コンクリートの寿命は50年くらいでしょうか?
無駄な予算で無駄な河川工事をすすめ、自然破壊と学びの機会を失うような、
短絡的で経済主義的な目先のお役所仕事にはうんざりです。

もちろん危険は付き物です。だからこそ学べるのです。
モヤシの子はモヤシしか育てられないと思います。
モヤシだけでは未来へ継続できる可能性が低くなってしまいます。

ライフジャケットも子供に車いすを付けに行くようなものです。
危険は回避するものではなく体験するものです。
そのぎりぎりのところで人は成長し進化するのだと思います。

決して水を悪者にしないようにお願いしたい。
悪いのはそれを悪者にして責任回避したがる大人の気持ちです。

人生は「Try and go」です。