読売の社説

社説:農協改革案 「農家のため」を原点に
http://mainichi.jp/opinion/news/20140520k0000m070115000c.html

全くもって視点がずれている。
原点は「農家のため」ではない「あなたのため」にである。


あなたは今日何を食べましたか?
明日は何を食べますか?

「農協は時代に対応していない、もっと改革をすすめるべきだ」
「農業はもっと効率的に、もっと経済を追求すべきだ」

農業は経済性や効率性や改革を追求するものではありません。
継続することを最大の目的とした生命活動です。

私たちが食べているのは命です。
その命は農家が作り出すわけではありません。
農産物といういいますが、それぞれが今を生きる命であって、農業はそれを補助する仕事です。

工業製品のようなわけにはいきません。
全ては自然淘汰の中で営まれている生命活動なのです。

GMOはなぜ危険なのか?
重要なのはその命の伝番が万物の合意の上に成り立っている必要があるからです。
大切なのは今ではなく明日であり、未来なのです。
継続できる可能性を追求するのが農業です。

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JA全中の解体論はTPPなどに反発する政治的圧力を解体することが目的です。
長い過去からの歴史的な営みを無視し、短期的な経済性や合理性の追及では将来の存続は危ういでしょう。

もしその政治的な圧力がなければ、多くの農家は生産を継続できないでしょう。
そのための補助金や助成金は一般の方は異質なものに見えるかもか知れませんが、
元々の食料政策として食料費は安く抑えられているのです。

よく「たまごは物価の優等生」なんて言われ方をしますが、
まわりの物価が何倍にも上がる中、たまごだけが1個10円なんてありえません。
あくまでも価格の演出であって真の価値ではありません。

実際、日本の農家への助成金はアメリカやヨーロッパに比べると微々たるものです。
それでも日本の農家は兼業で頑張っているのです。


その昔、自民党の軸足は保守的な生活を守る農村や農業にありました。
しかし、昨今はアメリカ政府の下請け国家として自らの日本という国を解体し始めています。
グローバルという流行語に足元がふらつき、将来の視点を見失っているようです。

国を守るということは文化と民族の固有的な種族を維持することであり、
生物の多様性による将来への生存の可能性として重要です。

良いことも悪いことも何もかもを押しなべれば平和になるというものではありません。
私たちは未来に向けて生存し続ける可能性を追い求めることが重要なのです。

「美しい日本を守る」というのは非常によいスローガンであると思います。
ただ、今はそれを踏みにじろうとしていることは明白です。

つまり農業と私たちの生活は一体のものなのです。
何のために生き、何を守りたいのか?
今一度お考えください。