昨晩はしかっり遊んでしまいしまた。いやー楽しいです。
ポンポン船のしくみを知れば知るほど、これはかなり優れた蒸気機関であるとつくづく感心してしまいました。

私が理解しているポンポン船の動作原理は大体こんな感じです。

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【1】初期セットアップで排出パイプとボイラーに水を注入します。
【2】外部から熱を加えることで、ボイラー内は沸点に達して蒸気を発生させます。(ポコ♪)
【3】蒸気の圧力で排水パイプの水が押されて排出されます。
【4】排出と同時に排出パイプ内は冷やされ水蒸気が液化することで圧力が低下します。(ペコ♪)
【5】気圧の低下に伴って再び水が排水パイプより給水されます。
以後は熱源の温度が下がるまで【2】~【5】の自動振動を繰り返すわけです。

ポイントは最初にセットされる水で、この水は水蒸気発生させるための給水であり、ピストンの役割と排出時はスクリューの役割も兼ねているのです。
素晴らしい、一見どこにもロスがありません。

一つ不思議に思うのは、一旦排水された水が気圧の低下で吸い込まれる時に、逆向きの力が働くのではないかという疑問です。
この現象は扇風機で考えれば分かりやすく、扇風機の前は涼しいが後ろは涼しくないという原理と同じです。

つまり排出時は一定方向に整えられた水が出力がされますが、給水時は排水口の周辺全方向から水が取り込まれるため、出力方向に対する負の力は少なくなります。
よってこの自動振動を繰り返すことにより排水方向の出力は常にプラスになるため一定の推進力が得られることになります。


通常の水蒸気エンジンは気化され排出される水蒸気の水を補給するため給水タンクが必要ですが、ポンポン船は給水も自動で行っちゃうわけです。
熱源があり水のある限り永遠に走り続けられる優れた仕組みなわけです。

通常の蒸気船は蒸気圧でピストンを動かし回転運動に変換してから出力のスクリューを回転させその反動で前進します。
その時、ピストンや回転クランクの摩擦でかなりロスが出ます。さらに効率の良いスクリューでもかなりのエネルギーが無駄に失われます。
その点ポンポン船は「ピストン=出力」と直結しています。さらに出力媒体(水)を直接利用することで摩擦ロスが極めて少ないといえます。


なんだかポンポン船が今日のエネルギー問題を一気に解決してくれるんじゃないかと思えるほど魅力的に見えてきたのですが、問題点もあります。
・出力が小さい
 元々ボイラー内の気圧と外気圧のバランスで自動振動しているだけなので、出力はちょっぴりです。
・熱源のロス
 ボイラーと出力の排水パイプが直結しているため伝導熱による熱源のロスも大きい。
 (これが動作のミソですが)


じゃーもっと大きな出力を得るにはどうしたら良いか?ということですが、一つは数の勝負です。
小さい出力でも束にすれば大きくなる。・・・はずです。
そのためにはもっと効率的なボイラーを開発し多管式に耐えうる出力を確保する必要があります。

ラジコン化する時の根本的な問題は、出力が一定で停止もパックも出来ないということです。
これではコントロールはかなり難しい・・・というか出来ません。
ニュートラルやスイッチバック機構を組み込む必要がありそうです。

スチームエンジンは斉藤という常識に打ち勝つためにも、ポンポン蒸気機構で対抗を試みたいわけです。
というか斉藤のエンジンがほしくても買えない、というジレンマを紛らわす対策でもあります。(汗)

ピカピカのスチームエンジンは涎ものです↓
(株)斎藤製作所(SAITO)
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