難工しているザリガニ号ですが、基本に戻ってスラストの考察をしてみたいと思います。
前に推進力を持つ飛行機のスラストの考えたの基本はこんな感かと思います。

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つまり重心位置と力点の位置によってベクトルを整理してやる必要があるわけです。
例えばこうしてしまうと・・・

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このように水平に取り付けると、強い推力をかけると頭下げの回転ベクトルが発生してしまいます。
スロットによってアップダウンが発生して飛ばしづらいのです。

もちろん、動力位置と重心位置の関係だけではなく、主翼の浮力や主翼の取り付け角度や機体全体のデザインにも大きく左右されますが、概ね上の図のようなセオリーになるわけです。

しかしザリガニ号に適当なスラストを設けても、飛ばすと吊りながら飛行させているようで飛ばし辛く飛行姿が美しくありません。

水上機は接地している時にプロペラを高い位置に持っていく必要があるので、機体の下に長い足を設けてフロートを付けるか、
主翼と動力を機体の上に上げ、重心と推力のベクトルが一直線になるような作りをしています。
ただしどうしても下重心になり、下方が無駄に抵抗が大きくなるのでブラブラした飛行になりがちです。

翼端にフロートを取り付けるとアウトリガーのように横転の心配が軽減できますが、
重心位置から離れた位置でのフロートの抵抗による回転モーメントも上がり、全体的な抵抗力はかなり大きくなります。

正直、飛行する物体として水上機は構造上優れたデザインとは言えません。
どうしても船と飛行機の合体ロボットみたいな無理があるのです。
だからこそオモチャっぽい面白さがあるのかもしれません。

なんだかこの不条理な物体に燃えてきました。
ぼちぼち行きます。