先日、冷風機を買った。
ホームセンターの特売で衝動買いしてしまった。

クーラーは冷風と同時に除湿するが、冷風機は自然加湿器のようなもので、水が気化する時の気化熱を利用して涼しくしようとする機械である。
扇風機の前に濡れたタオルをかけると、涼しい風が出るが、原理はそれである。
構造が簡単なのでクーラーに比べて安価であるが、あまり冷えないものである。

実は、中学の頃にこの冷風機を作ろうとしたことがあった。
使っていた扇風機を倒してしまい、首の所で折れてしまった。
修理するつもりで、とりあえず分解をしてみた。

その当時は既に冷風機は売られていたと思うが、相当な値段だったと思う。
しかし構造はいたって簡単で、扇風機の後ろで水に濡れたタオルのようなものが回転していて、ここを風が通過する事で気化熱を奪う方法である。
扇風機しか持っていないものにとっては憧れの機械であった。

壊れた扇風機を分解してみると、首振り機構の出力が丁度良い回転数で回ることを発見した。
これはやるしかない。ということで憧れの冷風機を自作することにした。

首振りの出力からプーリーを使って、背面のタオルを回転させるよう工作をして、その下に水受けを取り付けた。
これで水に浸かったタオルが常に回る機構が出来た。
それを入れるケースもベニア板で作り、丁度クーラーの室外機のようなものが出来上がった。
我ながらなかなかの工作であった。

早速、出来た冷風機に水を入れてテストしたみたら、これが結構よく動いた。
結果として期待したほど涼しくはなかったが、工作的には大満足であった。

とこが事件が起こった。

しばらく部屋を離れて戻ってみると、部屋中水浸しになっているではないか。
水受けの工作がまずかったのか、水漏れをおこしてしまった。
その後適当な水受けが見つからず、改造を重ねるうちに機能停止した。
つまり新しい扇風機を買ったのだ。

それ以来冷風機には強い思い入れが合ったのだと思う。

今回買った冷風機は機能的には非常に良く出来ているものであったが、いくつか問題がある。
まず、うるさい。
風の噴出し口にあるウイングに風が当り、相当な風切音がする。
まるで掃除機を使っているようである。
おやすみモードもあるが、これだけうるさいととても寝られない。

最大の失点は、匂いである。
プラスチックのいやな臭いが吹き出てくる。
これは我慢できるレベル超えている。
しばらく運転し続けているが一向におさまらない。
やはり安い品物には安い理由がちゃんとあるものであるとあらためて学習をした。

冷風機にはどうもついていないようである。