イメージ 1

イメージ 2

さて、いよいよお楽しみの組立て時間です。
ざっと設計図に目を通して工作全体の工程をイメージする。

まずは部品表の確認。この時間がキット物工作の一番楽しい時だったりする。
全体の工作工程を頭に描きながら、一つ一つの部品を綺麗に並べていく。
全く工作そのものには関係の無い作業だが、工作前に部品を綺麗に並べてそれを眺めているのが好きだ。
ワクワク感というか、まさに想像と空想の世界へ入り込むのだ。

組立ては至って簡単で、工作工具としてはドライバー、ハサミ、金槌、カッター、ラジオペンチがあれば十分だろう。それぞれの部品の精度は思った以上にある。しかも質感がある。材料の殆どは真鍮のようだ。

工作そのものはあっという間に終る。おそらく真面目に組み立てれば1時間もあればここまで組みあがると思う。若干わかりづかったのは、エンジンのピストンと車輪を繋ぐリンケージ部分で、この部分は後で調整することにした。

銅パイプでスチーム管をエンジンと接続すると何だかそれっぽく見えてくる。後は真鍮の帯でボイラーと車体を固定する。これでほぼ完成である。(飾りの部分は元々作るつもりは無い)
ここから色々とテストが始まる。

まず最初のテストとしてエンジンの動きをチェックする。このテストが一番ワクワクする瞬間だ。
設計書の説明ではもう少し早い段階でテストすることになっているが、リンケージの部分が今一分かりづらかったので、全体が組み上がったこの時にしようと決めていた。
というかお楽しみを先送りしていたのだ。

このボイラーは単純に真鍮の筒だけの構造で、面白いのは動作用水を煙突から入れる仕組みになっている。テストは簡単で、ここから息を吹き込むのである。

まずは一息吹き込んでみる。
カタカタとエンジンが動いた。が、しかしすぐに何かに引っかかるように止まってしまう。何度か試したがどうも全体的に滑りが悪いようだ。

ここからがまたまたお楽しみ。全体を眺め回しながら各部のチェックと当りをとっていく。各稼動部分に少し注油をして調整を行ったら見違えるようにスムースに回るようになった。

全体的な最終チェックをしてから、動作手順と注意事項をもう一度よく読んでからいよいよ火入れである。ものはオモチャでも一応火を使う。ボイラーは下手をすると危険な代物である。ここは十分注意をしながら慣らし運転を行うことにする。

まず、煙突から10CC程水を入れる。燃料はバーベキューの時に着火材としてよく使われるスイスメタである。これを燃料皿に乗せ火を付け、車体の下部にセットする。説明では2~3分で蒸気が上がってくるとの説明であった。スイスメタの燃焼時間は5~6分であるので、このエンジンの可動時間は約3~4分といったところだろう。

このエンジンはスライドバブルで蒸気を出し入れする仕組みになっている。これによりピンストンが吸気排気をする。つまり両突のエンジンで結構パワフルである。

しばらくすると安全弁から蒸気がシューと上がってくる。その後、安全弁が完全にポンと上に上がるとエンジンに蒸気が送り込まれる。その途端にエンジンがカタカタと動き出した。至福の時間である。

蒸気が上がるにともないエンジンの回転数が上がってくる。あんまり上がり過ぎると少し怖いなーと思っていたが、それ程でもないようである。もう少し調整をすればより回転を上げることが出来るだろう。
ストップウォッチで時間を計測したが約3分程度回った。

無事に初の火入れは成功したようだ。火が落ち、静かになった車体を眺めつつ、火をつける1本のタバコがまた美味いものである。
まずは満足である。