ゲームの話に戻しますが、実は大昔プレイステーションのソフト開発をやってみたことがあります。ソフト開発といっても本職用の開発環境ではなく「ネットやろうぜ」という一般向け開発環境ですが・・・

その当時のパソコンは現在のパソコンとは違いかなり非力なものでした。Windowsがようやく定着し始めた頃だったと思います。その当時プレイステーションが発売それたわけですが、画像処理のスペック的には当時のパソコンを遥かに凌ぐ能力で、CGオタクの私としては是非とも触ってみたいハード環境であったわけです。

もう一つの理由は、当時はまだパソコンの普及率が非常に低かったこともあります。インターネットも一部のオタクが英語のマニュアル片手に苦労して接続していた頃ですから、家庭への普及率でみればパソコンよりゲーム機などのコンシュマー機の方がよほど普及していたわけです。ゲーム機も中身はコンピュータですから、プログラムしだいでは何にでも化けるわけですから、ゲーム以外の用途での活用が出来ないかの研究をしてみたかったというのがありました。

「ネットやろうぜ」の参加費用は、その当時の私の小遣い予算からするとおよそ年俸レベルでして、大蔵省(妻)に嘆願状を提出し、どれだけ仕事に役立つかを切実に訴えて、ようやく教育費用として予算化してもらい費用捻出したことを思い出します。

確かに「ネットやろうぜ」環境は当初は非常に面白いものでした。何せその当時のワークステーション並みの最新のグラフィックチップを使えるわけですから、技術屋としては興奮するわけです。

ところが、このサークル活動はソニーの一方的な方向転換でクローズしてしまうことになります。折角書き溜めたプログラムは日の目を見ることなく葬られることになってしまいました。

その後このようなコンシュマー機の開発環境を一般にバラ撒くことはなくなったのですが、ある意味これは非常に大きなマーケットの可能性を摘んでしまったと思います。

一般のサンデープログラマーの中には優秀な方も沢山おられることですから、ゲーム品質はともかくゲーム性の開拓は、今とは比較にならない広がりを持ったものになったと思います。

現状でもアンダークランドで開発を継続している人達もおられるようですが、今のゲーム業界のリストラクチャー(構造改革)には、このマンパワーを活用しない手はないかと思います。

是非に開発環境を開放してほしいものです。