ディジュリどぅ
ディジュリどぅ
ディジュリどぅ
ディジュリどぅ
本当に素晴らしかったです!感動しました!
先日の早島。モザート(モーツァルト)魔笛ハイライト!
ディジュの生徒さんとして来てくれているKさんの息子さんが帰国舞台という事で、これは見に行かなければと、少し緊張する中ホールへ。
ブザーが鳴って第一部スタート。14時
ここでは声楽をされている(合唱もかな?)皆さんの発表の場的な感じ。
ピアノ伴奏にてお1人ずつ持ち歌を熱唱。それぞれコスチュームや少しの振り付けも合ってシンプルな舞台演出に雰囲気を出せる様頑張っておられました。
一番最初の人がなかなか声も美しかったですね。
ちょっと残念だったのが「携帯電話・アラーム・写真撮影はご迷惑となりますので・・・」とアナウンスあった直後からフラッシュ付きのゴッツイカメラ(と思う)バシャ!バシャ!って引っ切り無し。
どうも決まった方が出ている時のみバシバシだったので関係者か?
あと、絶妙の間でおもいっきしクシャミをする人も居て、瞬間興醒め。(まぁ即興演奏の血が騒ぐ、というのも有りますが)
やっぱりスーツで、とは言わないまでも是非静かに聴く事の楽しさを事前に共有できている人で見たいもんだなぁと(でも、入場料が高くつくかも、、庶民的な値段だと致し方ないのか~~)

さて、待望の第2部
休憩後なので小一時間経った頃。
ナレーターと共に、舞台での歌は全てドイツ語。物語りもハイライトという事で流れや心情を解説しつつ進行、と。
舞台下には指揮の先生。ピアノも2人で演奏。一段と緊張感や期待感が高まってきます。

コミカルなミニ演出(悪漢は分かりやすいサングラス風のチンピラ的衣装と演出。でも鈴の音で魔法がかけられて可愛らしく踊りながら退場、とか、蛇とか森とかは人がそのまま立ってたり連なってたりで、何か滑稽)
や、趣向を凝らした衣装(お姫様や王女様、など女性陣は煌びやかドレスで結婚式状態。メイクも含めてとても美しい方々で癒されました^^)、
中でもやっぱり素晴らしい歌声。

貴族役でカッコイイ担当のタミーノ。テノールという事で、伸びの有る高音や柔らかで表現力豊かな中音域など、今回初めてのオペラ(それも全てドイツ語)で、全く歌う内容(歌詞)は分からなかったけど、だからこそ純粋歌唱と演者そのもののパフォーマンスに集中出来てそうとう良かったです。

劇の進行上数名での掛け合いとか語り合いの様な場面では、事前の解説も有って何となく分かったし、演出自体はシンプルなので直球な動作に笑いを誘う所もあり。

圧巻は重要人物「夜の女王」凄い広い音域と細かなパッセージを要求されるあの有名な曲を無理無く軽々と歌っておられました。
これはまた見てみたい。(しかし今日のも日本有数のレベルの方々だろうけど本場はもっと凄いのだろうか。。クラシック恐るべし)
涙を誘う場面(ショックを受けて落ち込む歌を歌うお姫様とか)もあって、しっとりした場面もたいへん素敵。

さあそして、庶民の代表である鳥刺しパパゲーノ!僕の目当ての彼。
いやぁ本当にふり幅の広い、退屈させない、自由自在の表情とキレの有る、無駄の無い俊敏な動き、パパゲーノの役を設定以上に魅力的に、自分のキャラへ昇華させている本物。舞台演者の真髄を観ましたね!
パパゲーノはこの魔笛ハイライトでは殆ど主役、というか彼を中心に物語が展開して行く様な、最重要ポジション(みたいに感じました)
今回はこの彼の役にかかっている事が、客席中央から始まる演出で、ド頭から分かりました。
バリトンという事で太く重みと広がりの有る声、高音も優しく力強く、低音は会場中を包み込む声量と圧倒的。どういう経緯を辿ればココまで出来るのか不思議なくらい楽しかった。素晴らしかったです。感動しました。

動きのコミカルさも最高で、舞台左寄りで数名の演技が続いている瞬間にも、役であるパパゲーノはちょこっと隠れる様に、右よりの場所でバナナを食べたり。
真剣に歌う場面でもピアノ伴奏の人にチラチラ手を振ってちょっと笑わせてみたり。
口に錠前を付けられた時の歌「フム、フム、フム」では、歌詞がフムフムしかないから、動きと表情で歌詞以上に表現したり。

最後はCMなんかで聞いたことも有るパパゲーナとの可愛い掛け合い「パ、パ、パ」!
物語はハッピーエンド。でも本当にハッピーで可愛らしい、心の底からの表情は本当に難しいもの。
時間的にかなり短くなっていると思うのでそれまでの紆余曲折はカットされているだろうけど、幾多の困難を乗り越え本当に幸せにたどり着けたっていう感じがそのまま伝わってきました。
これは嬉しさと楽しさをひっくるめた感動で泣いちゃうんだろうなぁ

一瞬の配慮も見えました。
沢山の子どもに恵まれ~~という演出をヒヨコみたいな風船を沢山持って来て動きながら歌う、という所。
動きの中で最高にハッピーを演じながらも、風船がほんのちょっと気流で変化し、別の風船のひもに絡む様な軌道をとりかけた時、その風船だけ紐をちょこっと引いて回避していました。

凄い!僕は見逃せなかった。最高の表現をしつつ陶酔しきっている様で客観判断を活かし続ける。
演者の基本ですが、ほんのちょっとした、でも重大な気遣いを舞台上では気が付いてもなかなか出来ません。
長年の経験と感も充実している様に感じました。

この方はドイツ在住という事だけど、今後行ける範囲で追いかけよう。
ちなみに次回は1/16倉敷市民会館。僕が吹奏楽部で最優秀賞取った懐かしい場所。これは楽しみ。

帰り際にお母様(ディジュの)とご挨拶。その日はお誕生日だった様で、「おめでとうございます!とても良かったです」と声かけ&握手させてもらう。
ステージでは迫力有る声に圧倒されて聞いていましたが、お話しするととっても謙虚な雰囲気でファンの皆さんに優しく対応されていました。
彼「あぁ~ディジュリドゥの~」
僕「そうなんですよ~」
同時「いつもお世話になっております~」
~~~~~・・・・

暑い日でしたが、オペラ。良いです。そして、これからはこういう方々の時代なんだろうなぁと感慨深く会場を離れました(僕より5つ若い世代)
今回もパパゲーノの衣装はお母様の手作り、との事。愛情と信頼有っての芸術活動。家族の優しさや繋がりで支えられていく事なんだろうなぁと羨ましくも有り素敵に思えました。