サカイ | 京都1975

サカイ

サカイ 春が過ぎ去ってどんどん暑くなってきたなら、日本人たるもの自ずと欲してしまう夏の風物詩……スイカ、かき氷、そしてなんといっても冷麺!である。俗に言う韓流ブームの波に乗り「冷麺=韓国冷麺」と概念がすり替わってしまうかのように、焼肉のお供として、すっかりと日本に浸透してしまった韓国冷麺。あっさりスープに極細麺、ゴムのように弾力性があり、噛み応えがある韓国冷麺は、確かにさっぱりとしていて美味いし、その存在を否定することはできない。しかし、日本人としては、やはりマヨネーズ味のジャパニーズ冷麺を欲してしまうというのは当然の道理である。北大路通りと北山通りの間に存在する新大宮商店街の一画に店を構える「サカイ」は、自ら「日本一」と豪語する冷麺を提供してくれる、希有な中華料理店である。試行錯誤を繰り返した末に完成したという冷麺、見た目は至極シンプル。しかし、箸で麺をすくってみてびっくり、なんという極太麺!この韓国冷麺に抗うかのような図太い麺は、もちもちでプリンプリンの食感。しっかりと腰があって噛み応えは十分、マジでやみつきになりそうな極上麺なのである。この冷麺の主役はまさに麺であり、あとは海苔、きゅうり、焼豚というなんともシンプルなトッピングと、からしマヨネーズ風味のスープが脇役としてもり立てる。量が少なめなのがこれまた憎いところであるが、少し奮発すれば大盛りを注文することもできるし、嬉しいことに店頭と同価格で持ち帰りを購入することもできる。一度体験してしまうと、他の冷麺で満足できない体になってしまう危険性をも孕むサカイの冷麺。とにかくこいつを食って、蒸し暑い京都の夏を乗り切るべし。

新大宮 中華のサカイ 本店 (チュカノサカイ)
★★★★ 4.0