ミスターヤングメン | 京都1975

ミスターヤングメン

ミスターヤングメン 四条通りから寺町商店街に入ってすぐの場所に店を構える「ミスターヤングメン」。口にするのも恥ずかしくなりそうなズッコケたネーミングであるが、その名の通り、世の腹を空かしたヤングメンに熱々でボリューミーなお好み焼きを、安価で振る舞ってくれる良店なのである。一般的にお好み焼きの店というと、各テーブルが鉄板になっていて、客自らがお好み焼きをひっくり返したり、切り分けたりするスタイルが主流であるが、「カジュアルお好み焼き」を標榜する「ヤングメン」の場合、店内には、ごく普通のテーブルが並べられており、鉄板はレジ横の調理場に集約されている。つまり、注文が入った分だけ、店長一人がこまねずみのようにせわしなく調理してくれるという仕組み。よって客としては、注文をした後はただ待つのみで、自らの手を煩わせることは何もない。まさにカジュアル且つナウ(死語)な都会派お好み焼き店なのである。古びた木の床にレンガ造りの壁と、昭和の香りが漂うモダンな喫茶店風の店内も、既成のお好み焼き店の概念を覆す「カジュアル路線」に一役買っている。注目すべきは「ヤングメン・ランチ」で、お好み焼きと焼きそばがハーフ&ハーフでのっけられた鉄板に、味噌汁とおにぎり2個が付いてくる。果たしてこのおにぎりをどう食うべきか。一説によると、大阪人はお好み焼きをおかずにごはんを食うという習慣があるらしい。しかし、ここはいうても京都。ポイントは3つあって「1.お好み焼きよりも先に出てくる」「2.普通の白ごはんではなく、あくまでもおにぎりという形状で出てくる」「3.おにぎり内には、それぞれ梅、おかかの具が入っている」……要は、おにぎり単品でも食えるし、お好み焼きをおかずに食うこともできる、ということ。もし茶碗に盛られた白ごはんが出てきようもんなら、京都人としては間違いなく辟易する人が多いはず。しかし、京都のお隣さんである大阪人の客もそれなりに来店するはず。その両方のメンツをギリギリのラインで保持したのが、この「具入りおにぎり」というソリューションではなかろうか。……ていうか、そもそも考えすぎ!?

ミスター ヤングメン
★★★★ 3.5