丹波マンガン記念館 | 京都1975

丹波マンガン記念館

マンガン 「おもろいとこ」などというジャンルで括ることは、ある意味不謹慎である。何故なら、丹波マンガンの採掘・運搬には、強制連行された朝鮮人や被差別部落の人々が従事していたという暗い歴史があるからである。確かに、そういった歴史を学ぶ場としての真面目な施設という位置付けもある。しかし、それだけで片付けてしまっては勿体ないほどのエンターテイメント性が「丹波マンガン記念館」にはある。約300mも続く炭坑は、「順路」の案内板が無ければ間違いなく迷うであろう、まさにリアル・ダンジョン。坑内は、「ぴちょぴちょ」と地下水が滴り落ちる音だけがこだまする。中の温度は10~12℃。寒く、暗い坑路の途中、時折登場する青い瞳のマネキン人形にかなりビビらされる。これが、そこそこ人気のある施設ならまだしも、そこは「マンガン記念館」、休日敢えて訪れる観光客など皆無に等しく、炭坑内で「やった!人がいた!」と目を輝かせて近づけば正体はマネキンと、本当に恐い。そんなこんなで、めでたくゴールに辿り着くと、資料館のおばちゃんが、歴史について、マンガンについてと、色々とありがたいお話を聞かせてくれたりする。歴史的な勉強もできて、しかも面白い。こんなに意義深い施設をお堅いものとして括ってしまうの非常に勿体ない。162号線の道中、大きな看板が見えたなら、一度は訪れてみたい、隠れた名所である。