rumble FISH | 京都1975

rumble FISH

御池通りの喧噪から逃れるように小川通りを下がると、東側に「rumbleFISH」の小さな立看板が見える。元々は町家であった場所を「繭」という複合施設に改装、友禅染の体験工房 やギャラリーなどと併設されるかたちで、「rumbleFISH」は店を構えている。昨今、続々と誕生する取って付けたような「町家型○○」であるが、所詮は器が町家なだけで、どうもしっくりこない、腑に落ちない、という御仁には是非ともお勧めしたいスポットである。ポイントは、この施設にとっては幸か不幸か、いつ訪れてみても客の入りがほとんど無いため、絶好の隠れ家的雰囲気を満喫できるという点にある。暗い店内に店員は一人。耿耿と光を放つステンドランプ。木造床の軋み音。中庭を中心とした箱庭的空間が、やかましい世間と隔離され、ここだけ時間が止まっているかと錯覚すら覚えてしまうほどの静寂さ。必要以上の華美が排除された、古き良き京都のリアル町家気分を満喫することができる。一押しメニューは丹後直送の焼き魚がドカッと盛られた和ランチ。この飾り気のない実直なメニューがまた嬉しい。ただし、気まぐれメニューのようで、日によって有ったり無かったりするが、それもまたご愛敬。とりあえず、日々の生活に疲れたなら、週末は「rumbleFISH」でコーヒー一杯分の遁世をお勧めしたい。

ランブル・フィッシュ (CAFE rumble FISH)
★★★★ 3.5