拓朗亭 | 京都1975

拓朗亭

「拓朗亭」と書き「たろうてい」と読む。由来は、店主が「吉田拓郎」のファンであるというところにある。店内に掲げられたライブ写真が店主の心酔さを物語る……。亀岡のつつじヶ丘という、ちょっとしたベッドタウンに店を構える「拓朗亭」。住宅街の並びにポツンと存在するので、看過率99%!しかし、その実態は恐らく京都でも指折りの名蕎麦店である。暖簾には「蕎麦食人」の文字。単なる独りよがり「職人」ではなく、あくまでも食べて美味い蕎麦を作るという意味においての「食人」。これぞ究極の美学ではなかろうか。コリコリと筋の通った、毅然とした食感の蕎麦、ポタージュ風の暖かい蕎麦湯、そして、デザートの蕎麦の実アイスに至るまで、全てがシンプルに美味い。無駄がなく、美しい。日本人で良かった、そう思える瞬間を「拓朗亭」では享受することができる。公式サイト を見て分かるとおり、店主が持つ独特の感性がまた魅力。「唐変木」と自らを揶揄されているが、「本物」を生み出すのは、やはり常人とは異なる感性を持った「天才」じゃないかと思うわけである。

拓朗亭 (たろうてい)
★★★★★ 4.5