やまなか | 京都1975

やまなか

河原町に面する老舗のとんかつ店「やまなか」。とんかつ一筋30年。店内の至る所にディスプレイされた豚のポスター、オブジェ群が、大将のただならぬ「豚愛」を物語っている。関西テレビ「はらぺこ亭」に出演したり、「ジャパンタイムズ」で紹介されたりと、知名度は抜群のはずが、かき入れ時になっても、店内は意外とまばら。それもそのはず、ロースカツ膳一人前で実に¥2,000、そうそう気安く入れるようなお値段にあらず。しかし、値段に裏付けされた自信が大将にはある。「これで不味ければあなたの舌が悪かったということで、そのときはごめんなさい」と嘯く大将。愛嬌のあるお人柄であるが、目だけは笑っていなかった…!鹿児島産最高級の豚肉を使用したというとんかつは、まずその肉厚さに驚かされる。旨味が衣の中に閉じこめられ、咀嚼した瞬間、口の中に広がるワンダーランド。綿のような柔らかさ、そして、一気に広がる豚の旨味。量は決して多くはないため、夢は一瞬にして終焉する。度々行けるような店ではないが、この「ほんまもん」の味を一度は体験しておいて損はない。

とんかつ処 やまなか
★★★★ 4.0