枝魯枝魯 | 京都1975

枝魯枝魯

新進気鋭の料理人・枝國栄一氏による割烹料理屋「枝魯枝魯」。押しも押されぬ超人気店であり、さらに、西堀晋氏 が内装デザイン担当と、話題に事欠かない。しかし、実際は電話をしてみるとあっさりと予約が取れてしまうので、少々肩すかし。さらに「祗園の店」という位置付けではあるが、実際は川端通りに面した立地で、言わずもがな、目の前の景色は車、車、車である……。カウンター席のみの薄暗く、狭い店内。目の前ではアバンギャルドな髪型の若い板前さんが、手際よく料理をこさえていく。見かけによらず愛嬌のある兄ちゃんで、料理の説明から身の上話まで、次の料理が出てくるまでの間も退屈はしない。料理自体の優劣は別として、この店はその独特のこじゃれた雰囲気・佇まいの割に、たったの¥3,500でそれなりのクオリティーの、それなりの量の会席料理を食べることができるという点で、やはり革命的な存在なのである。ヘタをすれば「廻る寿司」になりかねないリーズナブルさを枝國栄一氏によるソフト、西堀晋氏 によるハードでもってデコレーション。誰でも気軽にプチ贅沢in京都を満喫できる良店である。