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eBay で購入してくれたお客様から、取引がスムーズに言っていない報告(クレーム)を受け取ることがあります。
「到着予定日を過ぎているが、荷物がまだ届かない」
「多くの関税を請求された」
「郵便料金の差額を受け取り時に支払わされた」
「商品が壊れて届いた」
「新品と書いてあったのに、新品に見えない」
「商品が思っていたのと少し違った」
「商品が思ってたよりも小さかった」
「使用し始めてすぐに壊れてしまった」
こちら、販売側のミスの場合は仕方ないですが、自分に非がないこともあります。
「支払い後すぐに発送したのに(郵便局・天候のせいで到着が遅い)」
「ものすご~~~く頑丈に梱包したのに(郵便局の扱いが悪く壊れて届いた)」
「きちんと商品の採寸を細かく書いていたのに(勝手にお客様が大きいと勘違いしていた)」
「、、、っちゅうか、あんた、それって単なるイチャモンでしょ~~~が?」
** ちなみに「頑丈な梱包」や「お客様が勝手に大きいと勘違い」に関しては、セラーの方も、常に改善の余地があると思っています。「到着が遅い」件に関しても、先手を打って追跡するなどでクレームを防げると思います(面倒だけど)。
「アメリカ人は謝らない」
「アメリカではむやみに謝ってはいけない」
ということを聞きますが、特に「自分に非がない」と思うときなどは、どう返答したら良いでしょうか。
やはり返信の最初に「I'm sorry(We are sorry)を使いましょう」。
「アメリカ人が謝らない」というのは間違いですよ。もちろん、そういったタイプの人もいるでしょうが、かなり「低級」の人たち。日本人の皆様は、そちらの部類に入らないでくださいね。
ただ「I'm sorry」も、上手く使う必要があります。
謝罪の日本語文を「直訳」してしまい、内容が少しズレてしまうことが多いようなので、今回は、そのポイントを書きますね。ぜひ利用していただきたいと思います。
「I'm sorry」には「申し訳ありません」という謝罪の意味以外に「不都合をお察しします」「こちらも残念です」という意味があります。
(しばしば「同情します」と和訳されることがあるが、日本語の「同情します」は、ビジネス上では少し他人事で冷たい気がするので、ここでは「不都合をお察しします」と書いています)
「自分に非がない」時のクレームに関しては、自分の行動に対して謝るのではなく「自分にお金を支払ってくださったお客様が(お客様本人の勘違いであろうとも)自分との取引に満足していない」という経緯にいたった事実を「残念だ」と表現します。
I am sorry to hear that you are not happy with your purchase.
I am sorry to hear that you are disappointed with the item.
I am sorry to hear that you're not satisfied with your purchase.
商品(取引)にご満足されなかったと知り、ご不都合をお察しします(残念です)。
I am sorry to hear that you have not received your item yet.
商品がまだお手元に届いていないと聞き、ご不都合をお察しします。
I am sorry to hear that your item has arrived damaged.
商品が壊れて届いたと聞き、ご不都合をお察しします。
I am sorry to hear that your custom fee was higher than you expected.
関税費がお客様の想像以上であったと聞き、ご不都合をお察しします。
I am sorry to hear that the shirt was too small for your husband.
シャツがご主人に小さすぎたとのこと、残念でしたね。
I am sorry to hear that you didn't like the item.
商品をお気に召されなかったと聞き(楽しい取引にならなかったこと)残念に思います。
お気づきになられたかもですが「to hear」を入れるのがポイントです。
日本語では「~~~とのこと、大変申し訳ありません」と言いますが、この「~~とのこと」というのは「~~だと聞いて」ということですよね。英訳の際に「~を聞いて」の意味を訳してない人が多いように思います。
たとえば「商品がまだ届いていないとのこと大変申し訳ありません」の訳には、以下のような違いがあります。
X I am sorry that you haven't received your item yet.
X I am sorry that the item hasn't received yet.
X「商品がまだ届かなくて大変申し訳ありません」
*** 商品の到着が遅い理由はセラーだけの責任ではないので(↑)以上の表現は間違い。
O I am sorry to hear that you haven't received your item yet.
O I am sorry to hear that the item hasn't arrived yet.
O「商品がまだ届いていないと聞き、不都合をお察しします」
*** 自分は商品の発送を速やかに行ったが、お金を支払ってくれたお客様にまだ届かず、不都合な思いをされていることへの同情。
ちなみに私は、商品に関する(私に非がない、バイヤーの勝手な思い込みによる)クレームに関しては、一番最初の「I am sorry to hear that you are not happy with your purchase」を使うことが多いです。
「(私に非はなかったけど)取引に満足されていないと聞き残念です」的なニュアンスを失礼のないように表現しています(笑)
そのクレームに「返品」などの対応をしたくない場合は「I'm sorry to hear that...」のあとに「However...(しかしながら)」と、続ければいいのです。
最初に労りの言葉があるだけで、印象がずいぶんと変わってくると思いませんか?
日本語でも「ほめ殺し」という言葉がありましたが、英語でも「Kill softly」という表現があります。真っ向から対立するのではなく、優しい言葉を使用して相手を納得させる方が、自分の思うように事が運びやすいという意味です。
「商品がまだ届いていない?私はすぐに送りましたよ。郵便局に問い合わせてください」
ではなく、
「まだ商品が届いてないとは残念ですね。調査をしてみます。すぐにお手元に届きますように」
という表現に変えるだけで、お客様の満足度が変わってきますよね。
後々に、eBay に制裁に入ってもらうことになったとしても、お客様に横暴な返信をしていると不利になりますよ。客の立場でも同じです。
とにかく、自分に非がなくても、以下のフレーズは使わないでください。
「Too bad」(それは残念でしたね。= 私にはもう関係ありません)
プロ意識のないセラーと悪い経験をしてしまったバイヤーは「eBay のセラーはこんな人ばかりだ」と構えるようになり、その後のお買い物でもセラーに対してケンカ腰で接するようになるかもしれません。逆に、そんなバイヤーに当たってしまったら、そのバイヤーは、過去に eBay でのお買い物で悪い経験をしたのかもしれません。そんな循環は避けましょう。
クレームの際の「優しい気遣い言葉」、他にもまだあるので、また別の機会に紹介しますね。
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あとがき
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ときどき「アメリカでは謝ってはいけない」「日本人は謝り過ぎ」という情報に雁字搦めになって、アメリカ人に対して、とても横暴な態度(と表現)で突っかかってくる日本人を見かけることがあります。
(表現に関しては、単に日本人は使えるボキャブラリーが少なくて横暴になるのもあるが)
せっかく、根は親切な日本人なのに「アメリカ人には謝ってはいけない」という変なアドバイスが出回るために、日本人の素敵な面が表現できないのは残念です。
確かに、単に「I'm sorry.」だけを言うのは良くありません。普段の会話でも「I'm sorry for...」や「I'm sorry (to hear) that...」という風に、「何に対して Sorry」なのかを明確に言うように心がけるとよいですよ。
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あとがき 2
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こんな面白い画像を見つけました。
「『I'm sorry to hear that』と私が言うときは、『あなたの愚痴を聞かなくてはいけない自分が気の毒だ』という意味です」というようなことが書いてあります。
うん、内心はそういう気持ちでお客様に返信していることもある(笑)
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あとがき 3
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1週間前から、アメリカ本土では夏時間(Daylight Saving)が始まりました。昨年も書いたと思うけど、この切り替え時は、朝がツラい。。1時間が削られた「時差ぼけ」もさることながら、朝6時、7時にまだ外が暗いので体内時計が動かん。。
昨年も書きましたが、その代わり、日の暮れが遅いので、eBay 用の写真撮影には助かります。