佐渡の食 俺の備忘録 ちりは遠江に限る | 佐渡の食と佐渡の食文化

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生まれ育った佐渡の郷土の食や素材や料理法など綴っています。昭和の頃食べた伝統的な料理や素材にまつわる家族や村の話など交えて記憶に残る景色を綴っております。
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寒くなってきました

初秋を通り越し

晩秋の気温になってしまった

近年そんなことばっかり

気候変動ですね。

 

大阪で

一足先に鉄ちりを食べた昨年

昨夜も豆腐と鱈でやってしまいました。

 

魚介の身が熱湯でちりちりになる

この身を形容してつけられたのが

ちりである。

魚介の身に火が通るか通らない

そんな状態で鍋から引き揚げ

辛子酢味噌

山椒味噌

木の芽味噌

柚子味噌

蓼味噌

など調味合わせ味噌で

ちりを食していた

今では柑橘系の酢醤油が

当たり前になってしまった。

 

昔は皮のついた

鯛やアイナメ

ホウボウやヒラメがちりの代表格。

 

ちりは遠江の魚に限る

と言われるが

これは身と皮=三河⇒駿河⇒遠江と

徳川家康ゆかりの土地で

今の静岡の浜松あたりで獲れる

新鮮な魚のちりが有名。

通人の湯豆腐の食べ方も

以前は醤油でなく

豆腐に熱が通るか通らないうち

豆腐の角が少し動くくらいに

引き上げて味噌で食べる

それが湯豆腐の極意とまで

言われたのであり

魚介を入れない

昆布と豆腐だけのものを

豆腐ちりと呼んだ。

 

みなさんも大好きなしゃぶしゃぶは

戦後になって出て来た料理で

満州がえりの料理で

モンゴルのサンヤンローという

羊肉のしゃぶしゃぶを真似て

牛肉にしたのである。

モンゴルの冬は寒い

一晩外に羊肉を置くと凍る

それを薄切りにして

熱湯に入れてしゃぶしゃぶした

これは余分な脂身を湯に溶かす

そんな食べ方であった。

佐渡島の冬

相川の叔父の家で叔母がつくった

タラチリは実に旨かった

でかい真鱈をぶつ切りにし

豆腐よりも鱈がふんだんに入り

ねっとりとした冬ネギも旨く

締めの雑炊が一段と旨い

何杯もお代わりした

自炊していた高校生の頃

冬の週末の夕餉は最高に旨かった。