佐渡の食 俺の備忘録 海藻は日本の食文化そのもの | 佐渡の食と佐渡の食文化

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生まれ育った佐渡の郷土の食や素材や料理法など綴っています。昭和の頃食べた伝統的な料理や素材にまつわる家族や村の話など交えて記憶に残る景色を綴っております。
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水深2メートルくらいの
岩ではなく玉石に

トクサのようにつんつん
まっすぐ延びている。

佐渡島は魚も豊富だが

海藻の種類も多い

潮の流れは暖流が北に向かい

栄養を運んでくる。

今回は海藻のツルモのことである。

 

ツルモは潜って採るか
専用の道具で巻き込んで採る

大波のあと波打ち際に打ち上げられた
ものを拾うかだ。

長さは1メートル程

茶色い海藻

どこにでもつんつんしてるものでもなく

どこか決まったところに

密集してつんつんしてる。

 

いつが旬なのかはわからない

真ん中は空洞になっている。

 

同じような格好でつんつんしてるが

空洞になってないやつもある

こいつは旨くなくて

茹でると火を通しすぎた

ひじきのような食感になる

手触りも貼りがないのですぐわかる。

 

このツルモを食べているのは

能登半島の輪島と佐渡島の

一部だと聞くが

たぶん日本海沿岸にあるのでは

なかろうか。

 

長いのでナガモと呼んでいる

地方もあるというのだが

佐渡島にナガモという海藻で

ホンダワラのアカモクの類で

同じようにヌルヌルネバネバになる

しかしツルモではない。

以前は沢山獲れるので

乾燥保存して食べていたようで

今でも能登の名産として

乾燥で流通させているが

色が黒ではなく白っぽい茶色で

佐渡弁でいうところの

(呆けたツルモ)

旬を過ぎて色が抜けてしまってる

のでそれを食したことはない。

 

トレタテをよく洗い

小口(長さ3ミリ)切りにして

お湯でなく煮立った味噌汁で

真っ青にして箸でかき回すと

とろっとろとツルモになる。

 

こいつを粗熱をとった

白い飯にかけ

味噌汁を注ぎネバネバ

とろっとろにして食べる

この時のみそ汁の具は

決まってカボチャと玉ねぎ

この旨みが絶妙の取り合わせ

淡い甘味がいい

最高にうまい。

 

メカブ飯に似てるが

小口に切ったツルモが

また格別に旨い

漬物でもあればそれでよし

欲を言えば茗荷の味噌漬け!

 

今では佐渡島でも

食べたことがないのが

大半ではなかろうか。

 

正直この食べ方以外は

試したことがない。