佐渡の食 俺の備忘録 お酒の味の瓜 | 佐渡の食と佐渡の食文化

佐渡の食と佐渡の食文化

生まれ育った佐渡の郷土の食や素材や料理法など綴っています。昭和の頃食べた伝統的な料理や素材にまつわる家族や村の話など交えて記憶に残る景色を綴っております。
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箸でつまむと

ひょろひょろすくい取れる

どす黒いがなんだか素麺の漬物

なんじゃこれ

酒の味がする

でも甘しょっぱい

旨い!

そうめん南瓜か

金糸瓜かどうだったんだろう

これが私の小学生の頃食べた

奈良漬けのと初対面。

 

祖母がどこからもらった

母がそれをもらって帰ってきたものだ。

 

神奈川の葉山に移り住み

川のほとりに鰻屋が出来た

家から歩いて2分

少し奥まったところにある

35年も前の話

漬物に必ず瓜の奈良漬けがついている

これがまた非常に旨い

私の家系は胃腸が弱い

鰻を食べるとなんだか

しくしくと胃が痛むのだが

奈良漬けを多めに食べると

不思議とそれはないのである。

奈良漬けの歴史は相当古い

平安時代に編纂された延喜式にも

瓜の粕漬けと記述があるほどである。

冬瓜や茄子

小葱に大豆まで漬けられていたようだ

日持ちのこともあるので

結構しょっぱいものであった。

 

現在のようなろ過した清酒ではない

白いどぶろくの底に漬け込んだようだ

これは私の想像であるが

誰かたぶん酔っぱらいが

漬物を酒の容器に落っことし

月日が流れて発見した者が

食べてみたら旨かった

そんなもんじゃなかろうか。

当時の粕漬けも相当な高級品で

庶民の口には入らない

上流階級しか食べることができなかった。

 

何やら大阪の陣で

奈良の漢方医が徳川家康に献上した

それを大いに気にいって

江戸の呼び寄せ商いをさせた

そんなことから

酒の産地でもあることから

奈良漬けという名前になった。

奈良漬は漬物として手間のかかるもの

何度となく漬け床を変えて

琥珀色から褐色に仕上げる。

 

大手などでは下漬けの工程を

海外で行い最終の仕上げ漬けを

国内で行い国内製をうたうところも

あると聞く。

 

昨年母がこしらえた瓜の粕漬けを

贈ってもらったが結構旨かった

今年帰省の折に聞いてみたら

結構手間のかかるものだよと言われた

是非今年も欲しい漬物。

 

地産地消の考え方から

佐渡には酒造メーカーが多くある

野里に沢山の野菜が採れる

オラが家の漬物はあるが

トップオブマインドの漬物は

佐渡島にはないのでないかなー?