佐渡の食 俺の備忘録 夏バテかー? | 佐渡の食と佐渡の食文化

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生まれ育った佐渡の郷土の食や素材や料理法など綴っています。昭和の頃食べた伝統的な料理や素材にまつわる家族や村の話など交えて記憶に残る景色を綴っております。
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遊び過ぎた夏休み

蝉はニーニー蝉からアブラ蝉

ミンミン蝉

そして朝夕のヒグラシが夏の終わりをつげ

日中にツクツクボウシが鳴く

これが私の蝉の鳴き声から

移ろいを察知する目安になった。

 

朝夕さすがに窓を開けてると

涼しいと言うか寒くなる

そんな家のつくりであった我が家。

 

三人兄弟は川の字を卒業し

独り立ちして自分の部屋を欲しがり

その部屋にいるのは私だけ

当時超人気の天地真理のポスターを貼った。

 

夏の食べ疲れか

遊び疲れで何となく胃が重い

父もそうらしく

何かというと片栗粉をお湯で練って

砂糖をかけて食べていた

母は心太を食べていた。

食べ盛りの私たちは

そんなもんじゃ満足できない

食欲が落ちたらお茶漬けだー。

一番茶の茎の部分だけを焙じた

香りがまろやかで

茶葉がない分渋みも少ない。

我が家の家系は胃腸があまり強くない

昔から緑茶ではなく

ほうじ茶が定番であった。

 

茶漬けと言えば緑茶でなく

出汁でもなく

なんてったって

ほうじ茶の茶漬け。

 

我が家には茶漬けにうってつけのものばかり。

 

先ずはスルメイカの山椒漬け

山椒の香りとイカの旨みがいい。

さてお次は

秋刀魚の山椒漬け

焼き過ぎないようにしないと

風味がもったいない

中骨も後で焼いたら旨い。

今度はハチメ(メバル)の山椒漬け

頭の部分も皮に旨みが凝縮

そいつを乗っけてお茶を注ぐ

これがまた格別!

そしてタラコではない

フグの卵巣の糠漬け

こいつが焼いてある

それをパラパラにして乗せる

これがまた旨いのである。

漬物小屋に行くのがめんどくさい時は

筒切りにした塩鱒

これが旨い

鮭なんかではなく我が家は昔から塩鱒

夏バテのときには

そんな塩辛い魚と

茶漬けが最高にいい

そんな質素であるが

今から思えば贅沢極まりない

昭和の食卓である。