久しぶりの帰省で
昔遊んだ植物が懐かしく
空き家も点在しだした村を巡った。
お目当てはふんどんと呼んだ青い実
納屋などの壁面を伝う蔦のような植物
あったあったぶら下がっていた。
今そんなもので遊ぶ子どもはいないだろう
そんな話である。
秋には蔦の真っ赤な葉っぱに
混じって黄色い実がひときわ目立つ
キカラスウリというのが本当の名前。
冬には全て落葉するが初夏になると
また葉っぱがたくさん出てくる。
同じような仲間にカラスウリがあるが
種が打ち出の小づちのような形なので
お財布に入れる縁起物のようだ。
外側の皮の厚みは約5ミリほど
その頃カッターなんてない
小出刃か切り出しで
中の白い果肉と種をほじくりだす
底の部分に短く切った楊枝か
マッチ棒を突き刺す
小さなローソクを指す
ランタンになる。
蔓の部分を残してぶら下げる
そいつを夜持ち出して
花火の種火に使ったりしていた。
子供の火遊びなので
母はいい顔しなかった
(火もんじゃくするな!)
(ねしょんべんするぞ!)
とのこと
そういえばそんな年は
まだ夜中に確かに粗相をした。
父は切り出しを使うことも小出刃使うことも
火を使うことも許してくらました。