(イチ)から始める | 佐渡の食と佐渡の食文化

佐渡の食と佐渡の食文化

生まれ育った佐渡の郷土の食や素材や料理法など綴っています。昭和の頃食べた伝統的な料理や素材にまつわる家族や村の話など交えて記憶に残る景色を綴っております。
株式会社創 代表取締役 東京都渋谷区代々木2-30-4 YCS2階
https://www.tsukuru-web.com

佐渡相川のマチの通りに羽田というのが

ある。今はどうかわからないが

定期市が以前はあった。

衣食住に関わる品物が並べられていた。

 

(イチから始める)という師匠の試みで

神奈川の葉山町でその作業に携わった。

その時のベースになった

資料を紹介したい。

 

ムラは、同じ生産の技術を持つひとが

それに適した自然と風土の場に群がってできた場ですから

(生産)の場です。

それぞれのムラで採れたものをムラとムラを結ぶ

便利な場に持ち寄って他のムラで採れたものと交換をする

場がイチです。イチは定期市になって、五日市、十日市

二十日市になり、やがて常設市になって多くの店を

抱えます。そしてそのイチを中心にした通りは

ホンマチ、ホンチョウ、ホンドオリなどと呼ばれてマチに

なります。そしてほかの場にもマチが生まれますと

そのマチは、フルマチ、モトマチなどと呼ばれます。

こうしていくつかのムラといくつかのマチで

トシが生まれます。

暮らしのなかで、イチはムラで一番先に採れたもの

一番よくできたものを持ち寄るところですから

ご馳走をつくるためには家庭ではイチに出向いて

一番先に採れた一番よいものを買えばよいわけです。

しかし、現実には世界の都市で市場はその権益を

行政に抑えられ、消費者の直接買える場所ではなく

中間業者のための場になります。

そして、市場は大きくなって郊外に出てゆきます。

こうなりますとイチは、ますます、消費者のもので

なくなります。

(アンデルセンを食卓に)より抜粋

 

昨今の地域再生、マチの再生、商店街再生に

薄日がさしている。

イチから始める手法を

情報社会がもたらすインターネットと人工知能(AI)等の

知識と、人間社会の知恵を駆使した

手法が若い世代の優秀な人たちが創る

力が浸透して結果を出している。

 

インターネットと人工知能(AI)には人は

逆さになったって時間的、能力的に

叶いっこない現実。

でもそれをどう使いこなすかは人の知恵。

これからの時代はその知恵がとても重要な

時代になりますというかなってきている。

 

昭和という昔を懐かしむことの中に点在している

潜在的な暮らしの知恵がきっとあると

信じている。