虚空の旅人/上橋菜穂子 | ひねもすのたり

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虚空の旅人 (軽装版偕成社ポッシュ)/上橋 菜穂子
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守り人シリーズ4作目ってことでいいのかな?
守り人じゃなくて、旅人ですが。

今回はバルサは登場せず、チャグム皇太子が主人公のお話です。
「守り人」がバルサの話で、「旅人」がチャグムの話って、どっか(後書き?)に書いてあったような?

この軽装版の「虚空の旅人」の最後にある解説?はちょっと危険だよぉ~。
(ずっと軽装版で読んでます)
挿絵を担当した方が解説?を書いているのですが、この先の巻の話題に触れてるwww
先の話はまだ知らないっつーにwww
あわてて読むのやめたわ( ;⊙´◞౪◟`⊙)
たぶんハードカバーで初版が発行されて完結した後に、この軽装版とか文庫が出たんだろうけれども。
先を知らずに、初めて読む人だっているんだぞww
察してくれよwww

ともあれ、「虚空の旅人」です。
今回もまた、異世界との接触があり、それがかなり話の根幹に関わってきます。
1作目の精霊の守り人には、ナユグと呼ばれる異世界が深く関わっていましたが。
2作目の闇の守り人の舞台だったカンバル王国にも、ナユグに似た異世界との接触がありました。
3作目の夢の守り人では、魂となってナユグではないけれど、別の異世界に行きました。
どうやら異世界はナユグだけではなく、複数あるらしいことが3作目で解明されます。
そして今回の4作目では、ナユーグルという異世界との接触があります。
チャグムは「ナユグの水の匂いがした」とか言ってたので、新ヨゴ皇国でナユグと呼ばれる世界は、サンガル王国でナユーグルと呼ばれている感じです。
この世界と異世界とが存在していて、あちらとこちらの世界がたまに繋がって、そのときに不可思議な事が起こるわけですが、今回はチャグムを含めて何人かが異世界に飛び込む事になります。

現実世界と異世界とで、それぞれ別のベクトルで物事が進んでいるのですが、チャグムは双方の世界を俯瞰して色々と思い悩むというか、哲学するというかw

物語ですが。
チャグム皇太子は、隣国サンガル王国の新王即位ノ儀に招待され、異国の地に行くことになります。
「即位の儀」ってwww天皇陛下ww
戴冠式でなはく、即位の儀っていうところに、和風を感じますねぃ。
2作目で式年遷宮みたいな風習が出てきたし、上橋先生は日本の文化にも詳しいような雰囲気。

サンガル王国は多くの島がある国で、気候はかなり温かく、インドネシアみたいな感じなのかな。
すっかり皇太子家業が板についたチャグムは、やれ気品があるの何のと賞賛されていました。

サンガル王国の第一王子は、チャグムの気品に感服☆大絶賛☆
そして弟である第二王子タルサンに、チャグム皇太子の気品はスゴイ、それに比べてお前は品が無い、同い年なのに雲泥の差、という意味のことを言い放ちます。
チャグムを絶賛するあまり、同い年の弟を比較対照にして落としてしまうっていうw
で、兄に酷評されたタルサン王子は腐ってしまいます。

タルサン王子は、腐ったあげくに、チャグムを殴ったらどうなるかな?とか、殴られて鼻血が出ても気品を保っていられるかな?とか、物騒なイジワルを思いつきます。
おいwww

で、マジで実行しやがります。
しかも儀式の真っ最中に、よろけたフリをしてチャグムに裏拳を入れます。
突然のことで、儀式中にチャグムのSPはチャグムの後列にいたので、まったく対応できずww
おいwww
ところがチャグムは、タルサン王子の裏拳を見事な武術ではねのけ、よろけたタルサン王子を抱きかかえて支えます。
即位の儀で、各国王族が見ている中だというのにwww
賓客である隣国の皇太子チャグムに、裏拳とかwwww
しかも見事に防御されて失敗して、自分はバランス崩してよろけて転んで、チャグムに支えられるとかwww
完全に道化ʅ( ‾⊖◝)ʃ
サンガル王国の面々はこの不祥事に真っ青になり、賓客たちも騒然としてしまうのですが。
ここで賢いチャグムが気の利いたことを言い、丸く治めます。
チャグムwwwお前は紀子様かww

余談ですが。
秋篠宮家の眞子様が、まだ紀子様に抱っこされてるくらい小さい頃(2~3歳?)。
静養だかに行った先で、大型犬のゴールデンレトリバーが眞子様に飛びついてしまったのですよ。
犬が嬉しいときにワフンと飛びつくアレなんですが、大型犬のゴールデンレトリバーが、小さい眞子様にそれをやってしまってw
眞子様は「怖い~」と半泣き。
内親王殿下に飛びついて泣かすなどと、犬がしたこととはいえ、一同真っ青になったのですが。
そこで紀子さまが即座に、「お友達になりたかったのね」と、笑顔で気の利いたことを言って丸く治め、一同ほっと胸をなでおろしたという。

チャグムに裏拳をかましたタルサン王子www
お友達になりたかったのねwwwww
てか、その後、マジでお友達になってるしwwww

自分の裏拳を防御したチャグムに、タルサン王子は一目も二目も置いて、懐いてしまいました。
拳で語り合うタイプだな(΄◔◞౪◟◔`)

チャグムがいつの間にか、武闘派になっていたことに驚かされましたが。
バルサに教えられた防御術を、バルサと別れたあとも毎日練習していたようです。
そして1作目で守られる側だったチャグムが、今回は守る側になります。
たくましくなったなぁ~。

それに比べてシュガは…w
チャグム皇太子の教育係である星読博士のシュガは、今回の旅に当然同行していたのですが。
次から次へと事件が起こるので、シュガはまたワタワタしてるし。
最後は泣いちゃうしwwwwwwwwwwww
知恵は増えて、術も使えるようになったのですが、相変わらずのシュガでした。

さて、この「虚空の旅人」では、3つの事件が同時進行します。
一つ目の事件の核は、<ナユーグル・ライタの目>となってしまった少女エーシャナ。
二つ目の事件の核は、チャグムに裏拳かまして友達になったタルサン王子。
三つ目の事件の核は、ラッシャロー<海をただよう民>の少女スリナァ。
3人ともサンガル王国の島の一つ、カルシュ島で日々を過ごしたことのある幼馴染なのですが。
それぞれが別々の事件の渦中に投げ込まれ、命の危険にさらされます。

たぶん一見バラバラに見える3つの事件が、そのうち収束して、同じところに着地するんだろうなぁ、とは思っていましたが。
どうやって絡めるのか、途中までまったく予想ができませんでした。
タルサン王子の行動も意外だったし、スリナァが何をするつもりなのか最後まで解らなかったしw

つーか3つの事件は、国際問題に発展する事にw
タルサン王子を守る側となったチャグムは、タルシュ帝国の陰謀を回避するため、新ヨゴ皇国の隣国であるロタ王国とカンバル王国の国王たちに直談判をして協力を仰ぎます。
もしタルシュ帝国がサンガル王国に侵攻すれば、新ヨゴ皇国・ロタ王国・カンバル王国へ侵攻する足がかりとなってしまうので、他人事ではないという。
ロタ王国の国王ヨーサムは聡い王で、すんなりOKでしたが。
カンバル王国の国王ラダールがwwwww
カンバル王国の現国王のラダールって、あいつだ、「闇の守り人」に出てきたモヤシっ子www
バルサがずっと復讐したいと思っていた悪いログサム王の息子で、気が弱くて優柔不断でダメな奴www

チャグムと会見するラダール王の後ろには、<王の槍>の面々が控えていたのですが。
<王の槍>のカーム・ムサって、ルイシャ贈りの儀式を怖がってた奴だっけ?
ジグロの甥で、バルサの洞窟での戦いっぷりも知ってるっていうw
このカンバル王国の面々は、「闇の守り人」の巻でバルサに会っている、というか結果的にバルサに命を救われた形になったので、チャグムと同じくバルサに命を救われたもの同士です。
チャグムはそんな事は知らず、その人たちを相手に協力を仰いでいるわけで。
こういう人間関係の面白さって、長編小説の醍醐味だと思います。

臆病でダメなラダール王は決断ができず、チャグムの話を断るのですが。
チャグムが部屋に戻ると、何故かラダール王の使いが来て、さっきの話やっぱりOKってwwww
これさ、<王の槍>たちが、チャグムが帰った後で、ダメな国王をつるし上げただろw
OKって、ラダール王の判断じゃなくて、<王の槍>たちの判断だろw

あとサンガル王国にも、1作目の「精霊の守り人」でのバルサとチャグムの冒険譚が伝わっていたというw
これは「夢の守り人」で出てきた軽薄なアイツ、諸国を旅する歌い手のユグノの仕業ww

それにしてもチャグムは、すごい成長っぷりでした。
隣国の王たちと堂々と渡り合うなんて、外交手腕もなかなかじゃん。
サンガル王国の未来の将軍タルサン王子とはガッチリ友情を築いたし、親善もバッチリだね。
なんか魂を飛ばしたりもしてたしw
「夢の守り人」の巻で、魂となって異世界に囚われたチャグムは、魂だけになった場合のノウハウをタンダに色々と教えてもらっていたのですが。
それを今回は実践して、魂だけで飛んで戦いました。
バルサから教えられた体術を練習してた成果も見せたし、タンダの呪術の教えも実践して見せたし。
バルサやタンダと過ごした時間が、チャグムの中にしっかり芽吹いていることが感慨深いです。
てか文武両道で、チートすぎだろw
バルサの武術とタンダの呪術を両方受け継いだら、文武両道どころの騒ぎじゃないわw
誰に似たのか、政治センスも見せやがるしw

今回はサンガル王国の内情がよく解る巻でしたが。
カリーナ王女、怖ええええ!!!
サルーナ王女は賢くて優しい王女様だったけど、カリーナ王女は賢くて冷酷wwww
つか二人とも、拳で語り合うタルサン王子の姉なんだよね。
似てないー!
まあタルサン王子も、単細胞かと思ったら、最後の方でなかなか上手い機転を利かせていて、筋肉だけの王子じゃないところを見せていましたけどw

3つの事件は収束して、タルサン王子もスリナァもエーシャナも無事に救われ、いちおう一件落着しましたが。
新たな戦の火種を匂わせるような終わり方をします。
今回のチャグムの外交で、新ヨゴ皇国・ロタ王国・カンバル王国は、サンガル王国に協力しましたが。
逆にサンガル王国は、これらの3国に、大きな借りを作ってしまったことになるわけです。
まあ国家間の駆け引きですね。
勢力を伸ばしつつあるタルシュ帝国により、国際情勢が変化しようとしている予兆を感じさせてのラストでした。

作者にはもうこの時点では、この先の物語が頭の中で出来てる状態で、その序章としての今回の作品だったんですかね?
なんか色々と火種をチラ見せしていて、伏線が見え隠れしているのに「今日はここまで」って感じの巻でした。
ラストに初陣が決まったタルサン王子が、友達になったチャグムと、晴々としたお別れの挨拶したじゃん?
この先タルサン王子に、絶対に何かあるだろwww
チャグムと友達になったってのが、アレだね、チャグムがタルサン王子のことで悩んだりするのが確定してるようなもんだろw
下手すると、こりゃ死亡フラグだわwwwwww
続きが気になりすぎるwwww
というわけで、明日また図書館に行ってきますヘ(゚∀゚*)ノ