最近の政治家に期待したい人格者を希望してね。
(一)寛にして栗(寛大だが、しまりがある)
(二)柔にして立(柔和だが、事が処理できる)
(三)愿にして恭(まじめだが、ていねいで、つっけんどんでない)
(四)乱にして敬(事を治める能力があるが、慎み深い)
(五)擾にして毅(おとなしいが、内が強い)
(六)直にして温(正直・率直だが、温和)
(七)簡にして廉(大まかだが、しっかりしている)
(八)剛にして塞(剛健だが、内も充実)
(九)彊にして義(強勇だが、義[ただ]しい)
「十八不徳人間」にならないために
大体、重要なことは言葉にすると平凡である。だが、それぞれ二つの言葉には相反する要素があるから、その一つが欠けると不徳になる。たとえば、「寛大だが、しまりがない」では不徳だから、全部がそうなれば、「九不徳」になり、両方がない場合は、「十八不徳」になってしまう。
人間は大体、逆を考えてみると、ものごとがはっきりする。まず、上役が「十八不徳」だったら、どうであろう。おそらく、次のようにならざるをえまい。
(一)こせこせうるさいくせに、しまりがない。
(二)とげとげしいくせに、事が処理できない。
(三)不まじめなくせに、尊大で、つっけんどんである。
(四)事を治める能力がないくせに、態度だけは居丈高である。
(五)粗暴なくせに、気が弱い。
(六)率直にものを言わないくせに、内心は冷酷である。
(七)何もかも干渉するくせに、全体がつかめない。
(八)見たところ弱々しくて、内もからっぽ。
(九)気の小さいくせに、こそこそ悪事を働く。
これでは部下はたまらないから、「あの人は人徳がないね」で、人望を完全に喪失してしまう。
だが「十八不徳」ともなると、人間失格のようなものだから、大体「九不徳」だろう。こんなことを冗談にある企業の人に話したところ、「いや、そうも言えませんなあ、近ごろの新卒には結構いますよ、十八不徳が」ということであったが、これはまあ、例外と考えよう。
もっとも、「例外」は常にその時代のある一面を最もよく表しているといえる。もし「十八不徳」で「七情」を思うままに外に発散し、「克伐怨欲」の固まりで、そのために周囲にあらゆる迷惑をかけながら、「中か己を恕[ゆる]す」で、上下周囲が悪いのだと信じている人間がいたら、どうなるであろう。
-----中略、95ページ4行目から------
話をもとにもどそう。「十八不徳」ということはまず無いと言ってよく、普通は、大体一方が欠ける「九不徳」であり、次のようになるであろう。
(一)寛大で結構なのだが、しまりがない。
(二)柔和でありがたいが、何も処理できない。
(三)まじめなんだが、とっつきにくい。
(四)事を治める能力があるのだが、尊大で高飛車だ。
(五)おとなしいが、しんがない。
(六)正直・率直なのだが、冷たい。
(七)まかせっきりは結構なんだが、何もつかんでいない。
(八)一見強いんだが、内はからっぽ。
(九)強勇なのは結構だが、無茶をするから困る。
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