ペット、売れなくても生きる道 業者、引き取って保護 | さしみ組の仲間たち

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なんにもないけど・・
やってみる・・・かぁ・・・

 
 
家庭で飼われる犬と猫は推計2千万匹。一方で売れ残ったり、
捨てられたりして年間16万匹が殺処分されている。
飼育放棄につながらないよう国が規制を強めるなか、
ペット業界でも「売れない犬」を安易に処分させない仕組み作りが始まっている。

 ■幼いほど高値

 1月29日、埼玉県本庄市。週1回のペットオークションが開催されていた。
ペット店の関係者ら約70人が真剣なまなざしを送る。

 「シーズー、メス。はい、5万だ、5万千……」

 競り人が金額を叫び、次々と落札額が決まっていく。
トイプードル4万円、
柴(しば)犬3万3千円、パグ8万8千円……。
種類や血統、容姿などで価格は上下する。
特に重視されるのが、生まれてからの日数だ。

 「幼ければ幼いほど人気がある。かわいく見えると高く売れるから」と
あるブリーダー(65)は言った。

 だが、あまり幼い時期に親離れさせると精神的に不安定になり、
攻撃的になりやすいとの見方がある。飼育放棄にもつながりかねないとして、
国は動物愛護法を改正し、昨年9月から生後45日以内の販売を禁じた。
オークションでは、多くがきっちり46日目で出品されていた。


 1日の取引は500匹前後。頭の形がいびつだったり
股関節がゆるんでいたりする犬や猫が売れ残った。

 業界団体によると、オークションは加盟業者だけで全国15カ所で開催。
非加盟業者によるものも4カ所である。
環境省は年間に売られる犬猫の約4割がオークション経由とみている。


 ■トリマー学校の教材犬などに

 オークションや店での売れ残りはかつて、悪質な業者が人知れず捨てたり、
殺処分させたりしていると批判を浴びた。そんな状況を変えようと、
業界内でも新たな動きが出始めている。

 埼玉県内3カ所でオークションを開く「上原ケンネル」の上原勝三(かつみ)社長(57)は
2010年、そうした売れ残りや、病気や障害で競りに出品すらできない犬や猫を
引き取り始めた。

 「命の値段を競る業界だからイメージはよくない。
売れない犬猫がどうなるのか。『ブラックボックス』などと言われる状況を変えたかった」
と話す。

 経営に行き詰まった繁殖施設を買い取るなどして、
数百匹が飼える「シェルター」を埼玉と群馬県に確保。
業界に批判的な動物愛護団体とも連携し、飼い主探しや、
毛を整えるトリマー学校の教材犬など「第二の生き方」を見つけるネットワークを作った。
これまでに約1900匹を受け入れ、1400匹近くの引き取り先を見つけたという。

 無責任な飼育をする悪質ブリーダーを温存するとの批判もあるが、
上原さんは「自らの戒めでもある。ブリーダーの質を上げる努力も続け、
引き取りを減らしていきたい」。運営費は収益の一部を回し、寄付にも頼る。
いずれは業界全体で幅広く負担する仕組みを作り、全国に広げたいという。


 大阪市でも12年、販売が難しい犬や猫の保護活動をするNPO「ラブファイブ」が
活動を始めた。
東海から関西地方のオークションや店を回り、売れ残ったり、
繁殖を終えたりした犬猫を引き取る。

 代表の岸大輔さん(36)は15年間、大手ペット店チェーンで働いていた。
動物愛護法改正の審議で業界の実情を説明し、批判の矢面に立った経験が、
立ち上げのきっかけだ。

 「動物が好きで働いてきたし、納得できない面もあった。
ペット産業を無くせるわけではない。
販売の裏側の灰色な部分をよくしていこうと考えた」

 毎月、30匹前後を保護。市内の公園などで譲渡会を開催する一方、
常設の出会いの場とする喫茶店「HO(ホ)GO(ゴ)KE(ケ)N(ン)CA(カ)FE(フェ)」も
昨年、2店舗オープンした。(井上恵一朗)

     ◇

 〈改正動物愛護法〉 販売困難になった動物を死ぬまで飼育することを業者に義務づけた。
殺処分する都道府県に対しては、ペット店やブリーダーからの持ち込みを拒否できることも明記。
それまで犬は「生後40日以内」、猫は「45日以内」の販売自粛という業界内の
自主規制に頼っていたが、初めて犬猫とも「生後45日以内」の販売を法で禁じた。
16年9月以降は「生後49日以内」に規制を強め、最終的には欧米で主流の
「生後56日以内」にすることが検討されている。

 

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