











レックスゾウカブト
Megasoma rex (plandi,2018)
ペルー・イキトス産
CBF1
以前はアクティオンゾウカブトとされていたが、
スウェーデンのウプサラ大学博物館のレクトタイプ
標本を基に分類が見直され独立種として記載された2種
(Megasoma rex とMegasoma vazdemelloi)
の内の1種類である。
vazdemeloiについては国内未入荷※である。
※以前vazdemeloiとされる♀が輸入されていたが羽化してきた個体の写真的にMegasoma janus argentinumの様に見える為個人的にはvazdemeloiは国内には居ない(標本は別として)と考えている。
また、rexとactionとの違いとして頭角突起形状及び後脚符節基部突起形状と前脚脛節先端部の溝(切れ込み?)の違いが列挙される。
現在ではMegasoma johannaeと呼称されているが、国内ではレックスゾウカブトの名前が定着しつつある為、混乱防止の為私は本個体群をレックスと呼称する。
尚、ヤフーオークション等ではときおりヨハナイゾウカブトとして本個体群の標本が出品されているが別に間違いでも何でもない(国際命名規約:ICNでは先取権的にjohannaeを認めている為、寧ろ間違っているのは私である。)上で述べた通り、混乱が起きる事が否定出来ない為、レックスと呼称する。
2023年3月〜コバエシャッター小ケース管理開始
76g(3令初期)
同年5月96g
同年6月106g(コバエ発生の為餌かえ)
同年8月124g
同年11月134g
2024年2月135g
同年5月139g
同年9月144g
2025年4月156g

同年5月154g(コバエ発生の為餌かえ)



同年8月羽化
同時期にもう1♂羽化したが此方は後翅がしまえず不全

120〜以上を目指すのであれば170g以上は必要かと思われる。

面白い事に、今回羽化した個体は胸部頂点の突起が発達しており、4本角レックスとなった。

以下飼育情報




Dorcus rectus yakushimaensis(Tsuchiya,2003)
コクワガタ 屋久島亜種
屋久島産
累代:WF1
本個体群が属するDorcus rectusは5亜種により
形成される。
1.本土コクワガタ(原名亜種)
Dorcus rectus rectus(Motschulsky,1857)
2.コクワガタ八丈島亜種
Dorcus rectus miekoae(Yosida,1991)
3.コクワガタ三島亜種
Dorcus rectus misimaensis(Tsuchiya,2003)
4.コクワガタ屋久島亜種
Dorcus rectus yakusimaensis(Tsuchiya,2003)
5.コクワガタトカラ列島亜種
Dorcus rectus kobayashii( Fujita et Ichikawa,1985)
今回は4の屋久島亜種の飼育結果になります。
まず個体の特徴についてですが、
原名亜種であるrectusに比べ体色は赤褐色であり、♂はやや幅広く大顎も太短い傾向にある。
トカラ亜種kobayashiiや三島亜種mishimaensis、八丈島亜種miekoaeと比較すると体表の光沢は弱い事が特徴として挙げられます。
Holotypeは屋久島の安房より得られており、
神奈川県立生命の星・地球博物館に蔵しており、
Paratypeは種子島、馬毛島より得られています。
幼虫飼育
お友達のG氏よりWF1の幼虫を頂き、
栄養フレークEX1300CCにて2匹ずつ投入し管理。
管理温度は常温(23〜25℃程度)



アトラスオオカブト フィリピン亜種
Chalcosoma atlas hesperus(Erichson,1834)






















1843年10月2、ロンドン・リンネ協会の特別会員であったFrederick William Hopeによって記載された。
タイプ標本はジャワ島より得られており、記載文にも Habitat in java.の記載がある。
この事からType Locality :ジャワ島と読み取れる。
実際に本種はジャワ島特産の種類であり、ブケットの名前の由来はフランスの昆虫学者兼標本商であった
Jean Beptiste Lucien Buquet氏に献名されている事に因む。
2024年親虫入手
West Java Kabupaten Sukabumi Gunung Gede(Mt.Gede)
年の為追い掛けを行ってからセット開始
(フタマタクワガタの仲間は種無し、空砲が多い為)
内容は中ケースに爆産くん特A APOマットを浅目に敷き、産卵材を転がしてセット。
2025年2月にオスが羽化。
70mm程であり、大型では無いがまぁまぁ見れる形には成ったという感想。
メスは昨年11月頃に羽化し、こちらも大きいとは余り思えないサイズ感。


反省点
一本返しをするのはいいがマットの劣化、腐朽状態にもっと気を配るべき。
特に劣化は最悪死亡に繋がる。
一本で70mm近くになるが、二本返しではどうなるか
管理温度を下げるとどうなるか、をもっと詰めてみてもいいと思う。
新年度ですが特にやることが変わらない社畜です。













お疲れ様です。
今回は題名の通り、南東北へ採集に出かけていました為、その報告を行います。
採集地域:新潟県東部〜福島県南西部
目的:ヒメオオクワガタ及びアカアシクワガタ等の高山
生Dorcusの採集及びマークオサムシの採集。
滞在期間:08.12〜08.15(2泊3日)
解説
①ヒメオオクワガタとは?
ヒメオオクワガタ Dorcus montivagus (Lewis,1883)
1883年※①にGeorge Lewisによって記載。
Lewisは記載当初に6♂8♀を採集し記載に用いた模様。
記載には中禅寺より得られたとの記載があり、基準産地は中禅寺(日光)となる。また、Nayane.との地名も確認できたがこちらについては詳細不明。(勉強不足)
Lewisは記載時にrectus(コクワガタ)striatipennis(スジクワガタ)との特異性がある事をあえて述べないとの文面があるが、恐らく比較するまでもないと考えた結果ではないかと考えられる。
生息域は山地のブナ帯(800m〜)に多く、ヤナギやダケカンバの枝先に傷を付けて染み出した樹液を摂食することが知られている。
しかしながら本種はブナ帯への依存性が強く、採集圧や開発状況によっては簡単に姿を消してしまう恐れが有り、高いモラルによる保全活動が求められる。
※①日本の歴史では1853に黒船が来航。
1867年に大政奉還が行われており、翌年の1868年から明治時代となり、記載された1883年は明治16年であり、富山県が現在の形として再設置された時代である。
②マークオサムシとは?
Carabus clatratus subsp.maacki(A.Morawitz,1862)
August Morawitzが1862年に記載。
Carabus Clatratus maacki aquatilis (Bates,1883)
マークオサムシ本土亜種
Henry Walter Batesが1883年に記載。
湿地帯に生息し、カエルやオタマジャクシ、巻貝を捕食しているとされる。形状はアカガネオサムシによく似るがより大型である。こちらもヒメオオクワガタ同様、環境への依存性が強く地域の護岸工事等により、ヨシ原や湿地が消失した事により数を減らしつつある。
ちなみにレクトタイプがパリ自然史博物館に存在。
以下、採集記
夜勤明けより採集へ向かう為、退社〜帰宅中に長靴をドンキにて購入。(この時間違ってL.M混ざってた。)
友人2名と合流後、高速道路にて福島のマークオサムシポイントへ。
ポイントに到着した時点で18:00〜とかなり暗くなっており、薮を掻き分け中に入るのが少し怖かった。
何とか薮を掻き分けるも、小さな川に足がドボン。
右足〜右臀部周辺が浸水。
萎える心を振り絞りポイントに到着。
ベイトトラップを仕掛ける作業に入るがヤブカが多い。マジ多い。上半身の殆どを蚊に刺されながらトラップの設置を完了するも、帰り道がよく分からない。薮を薙ぎ倒し進むもココドコー状態。
小さい川を見つけ、枝を持ち飛び越えようとしたところもう一度右足浸水。最悪なことに長靴ごと浸水。
なんでさ。
そんなこんなで戻ってきたら目の前に蛇の腐乱〇体。
ちょっとどかしてみるとエンマコガネと思われるコガネムシ上科と大型のハネカクシ、ニクバエと思われる幼虫が大量に蠢いていた。
ちょっと気持ち悪かった。
そこからは宿に向けて急ぎ、夜の暗い峠をひた走る。
結局、宿に着いたのは23時頃であった。
そこからチェックインを済ませ、周辺の街灯を見回る事に。



Dolichoprosopus yokoyamai (Gressitt, 1937)
を発見。
発見時既に亡くなっていたがまさか見つかるとは思っておらずマジでびっくり((((;゚Д゚))))
本来標高の高い地域のブナ帯に生息している筈だが今回発見した箇所は標高250m程であり、こんな所に居るの??となった。












