ブリ部屋管理記録

ブリ部屋管理記録

クワガタ好きな社会人のクワガタだったり日常だったりとかの雑記。
更新は遅め、Twitterで活動中!


ミシュミミヤマ
CBF2 India APLS
お友達のG氏から幼虫を頂き飼育開始。


ミシュミミヤマとは?
Lucanus mishmi (Okuda et Maeda,2014)

インド北東部(アルナーチャル・プラデーシュ州)に生息するミヤマクワガタの1種で、ドヘルティミヤマに禁煙な種。(他に近縁な種としてハンスミヤマが知られる)
2014年にアルナーチャル・プラデーシュより得られた2種のクワガタムシ科の新種の内1つとして記載された。


25年2月16日に栄養フレーク800ccへ投入

同年7月に蛹化確認
2♂1♀


8月中旬頃羽化。

残念ながら2♂目は不全個体であった。
後日落ちてしまっていることを確認。

羽化した個体は58mm程とあまり大きいとは言えない個体であった。
とは言え見れる形にはなってくれたので一先ず及第点という感じだろうか。

何も言うことが浮かばなかった。


反省
ボトル投入時期が遅かった。
1本返しで十分だが途中で水分が抜けすぎている。
要加水かなと思う。
水分量が少ない為劣化は少なかったが吸収できる栄養も少なかったかもしれない。
22℃管理では1年1化だがもっと下げる事で2年1化させることもできるとは思うが、この個体群に対し2年1化は必要なのか、低温とはいえどこまで下げて大丈夫なのかが不明確な為次サイクルにて検証したい。

本日はここまでとなります。
此処まで読んで頂きありがとうございました。

レックスゾウカブト 

Megasoma rex (plandi,2018) 

ペルー・イキトス産

CBF1 

 以前はアクティオンゾウカブトとされていたが、

スウェーデンのウプサラ大学博物館のレクトタイプ

標本を基に分類が見直され独立種として記載された2種

(Megasoma rex とMegasoma vazdemelloi)

の内の1種類である。

vazdemeloiについては国内未入荷※である。

※以前vazdemeloiとされる♀が輸入されていたが羽化してきた個体の写真的にMegasoma janus argentinumの様に見える為個人的にはvazdemeloiは国内には居ない(標本は別として)と考えている。


また、rexとactionとの違いとして頭角突起形状及び後脚符節基部突起形状と前脚脛節先端部の溝(切れ込み?)の違いが列挙される。

現在ではMegasoma johannaeと呼称されているが、国内ではレックスゾウカブトの名前が定着しつつある為、混乱防止の為私は本個体群をレックスと呼称する。

尚、ヤフーオークション等ではときおりヨハナイゾウカブトとして本個体群の標本が出品されているが別に間違いでも何でもない(国際命名規約:ICNでは先取権的にjohannaeを認めている為、寧ろ間違っているのは私である。)上で述べた通り、混乱が起きる事が否定出来ない為、レックスと呼称する。


管理履歴
2022年9月頃購入 

2023年3月〜コバエシャッター小ケース管理開始

76g(3令初期)

同年5月96g

同年6月106g(コバエ発生の為餌かえ) 

同年8月124g

同年11月134g

2024年2月135g

同年5月139g

同年9月144g

2025年4月156g 




同年5月154g(コバエ発生の為餌かえ)



同年7月蛹化




同年8月羽化


同時期にもう1♂羽化したが此方は後翅がしまえず不全



羽化した個体は110up程度となった。

120〜以上を目指すのであれば170g以上は必要かと思われる。



面白い事に、今回羽化した個体は胸部頂点の突起が発達しており、4本角レックスとなった。


レックスといえば個体の特徴的にやや盛り上がる様なことは有るがここまで発達した個体は中々見かけず面白い。(画像手前は飼育個体。奥は野外品の標本)


因みに此方はアクティオン。
頭角突起をよく見ていただくと違いが有るのがお解りいただけると思う。(アクティオンの奥の個体が特に顕著に特徴が出ています)

ブリード総括

3年かかった。
23〜25℃でも全然3年コースなので短くするのは無理。
正直孵化から2年で何処まで乗せれるかがミソかな
その後もダラダラ伸びるけどこの辺でガッツリ乗せるのがでかくするために必要かな。
コバエシャッター小で十分見れるサイズにはなる。
幼虫が丈夫(大体の大型カブトはそう)だから多少雑管理でもいいけどちゃんとやればやるで羽化後の達成感は有る。


〜あとがき〜
友達から初齢5頭と別の友達から♀単が来ましたので
もうワンサイクルやります笑

報告は以上になります
ここまで読んでいただきありがとうございました。








Dorcus antaeus antaeus(Hope,1842)
アンタエウスオオクワガタ原名亜種
ネパール・コタンCBF8
2023年末kuwataにて購入。
〜アンタエウスオオクワガタとは?〜
1842年にWiliam Frederick Hopeによって記載された
オオクワガタの仲間。
嘗てはミナミオオクワガタの和名で知られ、昨今では
学名の通りアンタエウスオオクワガタと呼称される。
Type Localityはkasya Hills near the boundary of Assam
とされており、現在流通しているカシヒル産が基準産地の個体群となると思われる。
(...そうだよね???)
この他に2亜種が存在し、
マレー・南ベトナム亜種である
Dorcus antaeus datei (Fujita,2010)
そして北部ベトナム・タイ等のインドシナ系亜種の
Dorcus antaeus miyashitai(Fujita,2010)
で構成されている種で、近縁としてシェンクリング
オオクワガタ
Dorcus schenklingi (Moellenkamp,1913)
が存在する。
実際♂はそこまで似てるか?と思うだろうが
♀は結構似てると思う。
まぁ♀が似てるから近縁ってのはちょい思考放棄やろって言われたら返す言葉も無いんだけど....
中国まではアンタエウスが生息して台湾になるとシェンクリングが代置種なのかなぁ...
というか祖先は共通で台湾が中国大陸から離れた際にそっから種分岐して今にいたる〜みたいな感じかなぁ
両方マットにも産むしなぁ...
なんとな〜く日本だとヒメオオに近い形にも見えなくないな〜とかぼんやり考えてみたり。
実際その辺どうなのか、誰かご教授くだせぇ。


以下飼育情報




2024年1月にペアリング
産卵セットは小ケースに特A APOマットを使用
割り出し後幼虫は多頭管理〜800ccへ栄養フレークEX固詰めへ投入。
その後1頭2令にて11gある個体を確認し2300cc栄養フレークEX固詰めへ投入

2024年12月には45gまで成長
80は余裕で超えるであろうと予想。




25年3月に蛹室形成〜前蛹となった
28gと少し体重ロスが大きく思ったより伸びないかもと推測
※この1ヶ月ほど前からやや暴れ気味であった為、体重ロスに繋がっている可能性。
同月29日に蛹化。
22gの蛹となったが思ったよりも体は小さく、太めな個体である様に見えた。
蛹アップ
大顎が太く原名亜種らしい形をしている。
25年5月に羽化。
81mm程とやはり思ったよりは伸びなかった。
然しながら横幅もあり中々格好の良い個体だと思う。
同時期に羽化していたメスも50mmを超え、次世代はこのペアでやってみようと思う。
(こちらは1300cc栄養フレークからの大夢オオヒラタケにて羽化)
反省事項
産卵はとても簡単。
数を抱えるには要求ボトルが1300〜2300とやや大きめ
種的にシェンクリングに近いとされている為♀殺しはやや警戒。
念の為顎を縛る事を推奨。
幼虫は22°C管理でもやや温度は高いかもしれない。
サイクルは早い印象を受けるがその分引っ張るために低温(19〜18ないし17.5℃が必要か。
ボトルの投入は2令で充分間に合う。
3令後期は特に暴れに注意が必要。
2300で放置でもいいが、サイズを狙うのであれば2度食いするとはいえ餌換えは必要。
わざと食いカスを混ぜてバクテリアを入れてより食べやすい状態を作って見ると良いかも。
マット管理での2度食いによる餌の栄養吸収はどの程度か、もし余り効果がない(摂食量に対し体重が乗らないのであれば上記対応の方が望ましいと考える)
暴れ対策として捨て瓶によるショック蛹化をわざと引き起こす事もアリと考える。
今サイクルにて出来なかった事項でもある為効果検証の必要有。
餌は栄養フレークでも充分に育つ。
コンスタントな餌換えを必要としない為固めに詰めて1本を使用する時間を長くする事が可能であるが放置のし過ぎは間違いなく個体の最大ポテンシャルは引き出せない。
3令初期〜3令中期までは餌換えは必要無いと思うがマットの劣化や摂食量次第では必要。
上記の通り後期〜蛹化前出交換してショックを引き起こす事が出来るのであればおそらくロスは少なく出来ると思うが、逆効果の懸念。
報告は以上になります。
ここまで読んで頂きありがとうございました。

Dorcus rectus yakushimaensis(Tsuchiya,2003)

コクワガタ 屋久島亜種

屋久島産

累代:WF1


本個体群が属するDorcus rectusは5亜種により

形成される。

1.本土コクワガタ(原名亜種)

   Dorcus rectus rectus(Motschulsky,1857)

2.コクワガタ八丈島亜種

   Dorcus rectus miekoae(Yosida,1991)

3.コクワガタ三島亜種

    Dorcus rectus misimaensis(Tsuchiya,2003)

4.コクワガタ屋久島亜種

    Dorcus rectus yakusimaensis(Tsuchiya,2003)

5.コクワガタトカラ列島亜種

    Dorcus rectus kobayashii( Fujita et Ichikawa,1985)


今回は4の屋久島亜種の飼育結果になります。


まず個体の特徴についてですが、

原名亜種であるrectusに比べ体色は赤褐色であり、♂はやや幅広く大顎も太短い傾向にある。


トカラ亜種kobayashiiや三島亜種mishimaensis、八丈島亜種miekoaeと比較すると体表の光沢は弱い事が特徴として挙げられます。


Holotypeは屋久島の安房より得られており、

神奈川県立生命の星・地球博物館に蔵しており、

Paratypeは種子島、馬毛島より得られています。


幼虫飼育

お友達のG氏よりWF1の幼虫を頂き、

栄養フレークEX1300CCにて2匹ずつ投入し管理。

管理温度は常温(23〜25℃程度)


羽化個体
羽化1号
50mm届かず...

羽化2号
残念ながら羽化後死亡。
測定時51mm程度有ったがしっかり固まった場合
50mm丁度程度と考える。

個体比較
死亡してしまった50mm程度の個体の方がやや顎が
長く見える。

反省
今回の飼育では最大個体の死亡と云う不幸が発生した。
不全により死亡してしまった為原因の追求が必要と考える。
幼虫飼育は1300ccにて管理を行ったが実際800ccで十分と考える。
♀も30mmを超えていた為、餌の選定は間違っていなかったとも考えられる。
今後累代し餌慣れさせることでより大型個体を安定的に作出出来ると思われる為、しっかり続けていきたい。

以上
ここまで読んで頂き有難うございました。

アトラスオオカブト フィリピン亜種

Chalcosoma atlas hesperus(Erichson,1834)



フィリピンに生息するアトラスオオカブトの亜種。
ルソン島をType Localityとして記載された亜種である
現在アトラスオオカブトは7亜種に分類され、
スラウェシ島等に生息する原名亜種atlas
バンガイ諸島に生息する亜種shintae
ブトン島に生息する亜種butonensis
フィリピン群島に生息する亜種hesperus
マレー半島等に生息する亜種keyboh
インド等に生息する亜種mantetsu
シムルエ島に生息する亜種simeuluensis
の7亜種が存在する。

タイプ標本はロンドンにあるリンネ協会に胸部のみが残っている。
※アトラスオオカブトはカール・フォン・リンネが記載している。
基産地にはアメリカとの記載が有り、図示されていないが...

今回飼育した亜種hesperusはアトラスオオカブトの中でも最大となる個体群であり、種名の由来はギリシャ語源で「宵の明星」を意味し、金星の事を指す様だ。


横から見ると頭角の盛り上がりがよく分かり、
キロンオオカブトによく似ている。

こちらがそのキロンオオカブト。
明確な違いは頭角の第一突起の有無にあると思う。

背面より比較。
サイズ差が顕著である。

hesperusの胸部
点刻が明瞭である。
一方のキロンオオカブトでは明瞭な点刻は
確認できない。

使用した標本の個体は
Mindanao Compostela Valley Maragusan
2018 Wild Native.leg
(むし社にて生体ペア購入品)と
Indonesia E.Jawa Mt.Argopro 
2019 Wild Native.leg
(Beetle onにて生体ペア購入品)
を使用。

ここから飼育について。

まず今回飼育した個体の産地は
Mindanao South Cotabato  Lake Sebu
となり、一般的なダバオ・デ・オロ(旧コンポステラバレー)とは違う産地である。

入手の経緯は、友人よりWF1の幼虫を頂いた。
(Yukiさんいつもあざっす...笑)
飼育にはBUBUカブトマットを使用。
初齢〜3齢初期まではBeetle on貸し棚にて管理
1300ccを使用。
(約22℃)
3齢より自宅にて管理。
コバシャ小ケースにて管理。

2024年4月 小ケース投入時。
この後9月頃に餌を替えた際には74g程まで成長。

2025年2月に前蛹となった際に測定したところ
69gをマーク。
ピーク時は80g近かったのかもしれない。

2日後に蛹化
ちゃんとロングホーンの形になってくれていた。


2025年5月に羽化するも不全...
92mm程の成虫が羽化。
因みに頭角で最大を取ってみたら102mm位有った。
余計に不全が悲しくなっただけだった。


反省
ケース底の蛹室をそのままにしたのが大きい不全要因と考えられる。
底で足が上手く掛からずに反転できずに上手く羽化できなかったのかなぁと推察している。
今後再発防止としては底蛹室は露天掘り〜人工蛹室が必要と痛感。
胸角が真っ直ぐよりだったら95位あったかなぁとは思うがタラレバなので考えない事にした。
小ケース程度でもしっかり大きくなってくれるのは有難い。
次があったら蛹室形成時の位置には十分に注意したい。


以上で報告を終わります。
ここまで読んで頂きありがとうございました。

インターメディアツヤクワガタ
(ダールマンツヤクワガタ亜種インターメディア)
かつては独立種としてOdontlabis intermediusとされていたが現在はダールマンツヤ(Odontlabis dalmani)の亜種となっている。

近縁種としてスピタツヤ(Odontlabis subita)やルディカツヤ(Odontlabis rudicae)が存在する。

尚、和名としてインターメディアツヤ、学名でOdontlabis dalmani ssp. intermediusが広く使用されるが実は無効名で、正しくはOdontlabis dalmani tarandusとなるとの情報があり、調査してみた所、
Vab de pol.1889にて本種がintermediusとして記載されたが1864年にDeyrolleがOdontlabis intermedus(Odontlabis carunatusのシノニム)を記載している為無効名となってしまっており、Mollenkampが1903年に記載したtarandusが有効名となった様です。

ところで和名だとタランドゥスオオツヤと被るけど...って思ってたら和名はインタメでええんでね?って書いてる人もいらっしゃいましたのでインタメの儘でいいのかなぁと思います。正直混乱するし。
学名的にはMesotopusとOdontlabisなんで混乱しませんが...幼虫の食性も全然違うし。

所で、Odontlabis carunatusって聞いた事ない種類なんですが...なんかのシノニム??それとも俺が知らんだけ??

ちなみにタイプローカリティはPhilippinarum.inslarum.esse.って所らしいです
キイタコトナーイ....

と、前語りはこの辺にして飼育内容について触れていきます。

 友人よりWF1幼虫を頂いた為飼育開始。   
パラワン島 ガントン産WF1
初令をBuBuカブトマット800ccにて管理
その後、2令後期にコバシャ小ケースへ投入。
因みに、ツヤクワガタの餌替えは私は基本全交換でやってます。
雑虫や劣化の場合鮮度の良いマットを継ぎ足すのが嫌すぎるからってのが理由ですね笑
 
交換したマットの底まで穴を掘り、底部に幼虫が横になれる程度のスペースを作り投入することで安定します。
(固詰めで穴だけ開けると高確率で☆ります)


1回目の餌変え時。
微妙です。
2回目の餌変え時 
ぼちぼちでかくなりましたが油断大敵。

2024年8月に♀が羽化。
こちらは53mm程。


時点の♀
ちょっと先のやつより大きいかな〜って位
先に羽化した個体を計測。
縮こまられると隙間開くから詐欺臭い写真に...笑

42gからの前蛹。
ケツがでかい為ウ〇コの量が多いのかかなり縮みます。


こちらが蛹化の様子。 
この時点で中歯〜長歯かなぁって状態です。
蛹化完了状態
内歯の根元に鋸歯状の突起が出る場合中歯扱いかなぁって感じの蛹です。

羽化1.5日前の状態 
まだアゴについて確定的な要素は言えないかなぁ...って
考えてました笑

羽化
大顎根元に鋸歯状の突起が無いので長歯ですね
短いけど←

でも、パカです。
原因としては右鞘翅の上部が上手くハマっておらず
尚且つ少し羽が短い為にこのような状態になったものと推察されます。

こればっかりは個体のポテンシャルによるものなんで仕方ないかなぁ...と
恐らくは蛹の時に左鞘翅根元ら辺に負荷かかって歪んでた可能性もある様に考えられますがタラレバ言ってもしょうがないので割り切ります。

総括
悪くは無い結果かなぁ...
管理温度は18℃前後。
餌はずっとBuBuカブトマットでおk
前蛹〜蛹が長い。ツヤ全体的にそうだけど長い。
ほんとにちゃんとやるなら中ケ位必要かも。
劣化と線虫と小バエ湧いたらオワリ。
Max50くらい乗せれれば多分95位は行ける。

ワンサイクル回したら結構満足かも。
という事で次はアルケスやります(もう幼虫取れてます)

以上。
報告を終わります。
ご覧頂きありがとうございました。


Hexarthrius buqetii (Hope,1843)

 

1843年10月2、ロンドン・リンネ協会の特別会員であったFrederick William Hopeによって記載された。

タイプ標本はジャワ島より得られており、記載文にも Habitat in java.の記載がある。

この事からType Locality :ジャワ島と読み取れる。

 

実際に本種はジャワ島特産の種類であり、ブケットの名前の由来はフランスの昆虫学者兼標本商であった

Jean Beptiste Lucien Buquet氏に献名されている事に因む。

 

2024年親虫入手

West Java Kabupaten Sukabumi Gunung Gede(Mt.Gede)

 

 

年の為追い掛けを行ってからセット開始

(フタマタクワガタの仲間は種無し、空砲が多い為)

 

内容は中ケースに爆産くん特A APOマットを浅目に敷き、産卵材を転がしてセット。



 

 

2025年2月にオスが羽化。

70mm程であり、大型では無いがまぁまぁ見れる形には成ったという感想。

メスは昨年11月頃に羽化し、こちらも大きいとは余り思えないサイズ感。


確か71mmとか
やっぱし75mm以上〜80とか見てみたい
栄養フレークEX1300 1本返し
居食い系の食べ方だから容器スペースを広く取って
食べる箇所を増やしてやってみても良いかも。
劣化管理のためにわざと粗めの餌混ぜてみると面白いかな?

特に何も言うことが無い...

 

反省点

一本返しをするのはいいがマットの劣化、腐朽状態にもっと気を配るべき。

特に劣化は最悪死亡に繋がる。

一本で70mm近くになるが、二本返しではどうなるか

管理温度を下げるとどうなるか、をもっと詰めてみてもいいと思う。

 

 

 

 

 

 

新年度ですが特にやることが変わらない社畜です。

今回は展足について語ろうかと思います。

〇展足とは?
標本にするために個体の足や触覚の形を
整える事を展足と云います。
整えることで見えない部位を見やすくする
(昆虫の多くは死亡時に脚を畳む為、脚の特徴が見にくかったりします。)

〇色々種類があるの?
甲虫目では大きく分けると2種類存在します。
①ユーロ式
②日本式
各展足について軽く説明します。



上がユーロ式展足となります。
個体はアクティオンゾウカブト
Megasoma actaeon(Linnaeus,1785)
French Guiana 
WD
特徴として、脚部を地面に接地し脚部と胴体で設置することで安定感がある仕上がりになり、
落下時の破損リスクが減ります。



そしてこちらが日本式展足。
個体はレックスゾウカブト
Megasoma rex(Prandi, 2018)
産地データ無し。
WD
日本式は脚をしっかり伸ばし、
ピシッとした印象になります。
(人間で言うと気を付けをしてる様な...??)
接地面は胴体のみで、落下した際の破損リスクは
こちらの方が高く、標本針を中心に
個体が回転してしまう事もしばしば....

どうやって展足するの?
これについてば画像を用いながら説明します。

①虫をスタイロフォームの上に接地して大体の幅を取ります。
今回はストリアータツヤクワガタ
Odontlabis striata

②スタイロフォームを虫の幅(縦横両方)に合致するように溝を掘ります。


次に生体を固定していきますが、私は海外製の針
(上はEnto sphinxとBohemia)
を使用しています。
こちらの方が日本製より生体が回転することが少ない
です。
(どうやら日本製は表面をツルツルにしすぎて逆に滑ってしまうそうです....💦)

上が日本製、(志賀昆虫製)
中がEnto sphinx
下がBohemiaの針です。
上のまるぽっちが大きいので掴みやすい針って
印象です。



生体の針刺しは基本1本のみです。
(多くの人はここで勘違いしてますが他の針は固定用なので生体には刺してません。)
針は上面からみて右鞘翅上部に針を刺します。
上の写真(横向き)の様に横から見て真っ直ぐ、
上から見て真っ直ぐになる様に針を刺します。

んでこちらが展足用の針です
私は志賀昆虫用の針を用いて
腿節〜符節にかけて針を細くして固定していきます。

と言っても初めに胴体を固定しないとズレてしまう
ので鞘翅の後方、腹部と胸部の間を固定します。
この時に輪ゴムを用いて固定するのもありです。
後脚の展足イメージ
個人的には符節を少し開くイメージで作成してます。
同じ要領で固定針を増やしていきます。
この時になるべく左右対象となる様にすると綺麗に
仕上がります。
こちらは触覚の固定イメージです
自分は1番苦手です.....
ミヤマとかなんか上向いちゃうやつ居るし.....

こちらが展足中の全体像になります 
(個体は変わってミラビリスノコギリ
Prosopocoilis milablis)
私個人の好みとして中脚はやや閉じ気味にしています

こちらが展足完了後、乾燥まで終わった状態です 
(こちらも個体が変わってタイワンヒメミヤマ原名亜種
Lucanus swinhoei swinhoei)
ここまで終わった後、ラベルを添付して箱に入れて
完成となります。

箱入れの様子
こちらはOdontlabis 〜Neolucanus族


以上が私の展足方法と箱入れ、展足の意義についての考え方となります。
展足方法については人によって拘り、好みがある為
自らの好きな形を模索してみることが1番と思います。

考え方等、参考になりましたら幸いです。

では、本日はこの辺で
お疲れ様でした。























お疲れ様です。

今回は題名の通り、南東北へ採集に出かけていました為、その報告を行います。


採集地域:新潟県東部〜福島県南西部


目的:ヒメオオクワガタ及びアカアシクワガタ等の高山  

          生Dorcusの採集及びマークオサムシの採集。


滞在期間:08.12〜08.15(2泊3日)


解説

ヒメオオクワガタとは?

ヒメオオクワガタ Dorcus montivagus (Lewis,1883)

1883年※①にGeorge Lewisによって記載。 

Lewisは記載当初に6♂8♀を採集し記載に用いた模様。

記載には中禅寺より得られたとの記載があり、基準産地は中禅寺(日光)となる。また、Nayane.との地名も確認できたがこちらについては詳細不明。(勉強不足)

Lewisは記載時にrectus(コクワガタ)striatipennis(スジクワガタ)との特異性がある事をあえて述べないとの文面があるが、恐らく比較するまでもないと考えた結果ではないかと考えられる。

生息域は山地のブナ帯(800m〜)に多く、ヤナギやダケカンバの枝先に傷を付けて染み出した樹液を摂食することが知られている。

しかしながら本種はブナ帯への依存性が強く、採集圧や開発状況によっては簡単に姿を消してしまう恐れが有り、高いモラルによる保全活動が求められる。

※①日本の歴史では1853に黒船が来航。

1867年に大政奉還が行われており、翌年の1868年から明治時代となり、記載された1883年は明治16年であり、富山県が現在の形として再設置された時代である。




②マークオサムシとは?

Carabus clatratus subsp.maacki(A.Morawitz,1862)

August Morawitzが1862年に記載。

Carabus Clatratus maacki aquatilis (Bates,1883)

マークオサムシ本土亜種

Henry Walter Batesが1883年に記載。

湿地帯に生息し、カエルやオタマジャクシ、巻貝を捕食しているとされる。形状はアカガネオサムシによく似るがより大型である。こちらもヒメオオクワガタ同様、環境への依存性が強く地域の護岸工事等により、ヨシ原や湿地が消失した事により数を減らしつつある。

ちなみにレクトタイプがパリ自然史博物館に存在。


以下、採集記


夜勤明けより採集へ向かう為、退社〜帰宅中に長靴をドンキにて購入。(この時間違ってL.M混ざってた。)

 

友人2名と合流後、高速道路にて福島のマークオサムシポイントへ。

ポイントに到着した時点で18:00〜とかなり暗くなっており、薮を掻き分け中に入るのが少し怖かった。

何とか薮を掻き分けるも、小さな川に足がドボン。

右足〜右臀部周辺が浸水。

萎える心を振り絞りポイントに到着。

ベイトトラップを仕掛ける作業に入るがヤブカが多い。マジ多い。上半身の殆どを蚊に刺されながらトラップの設置を完了するも、帰り道がよく分からない。薮を薙ぎ倒し進むもココドコー状態。

小さい川を見つけ、枝を持ち飛び越えようとしたところもう一度右足浸水。最悪なことに長靴ごと浸水。

なんでさ。

そんなこんなで戻ってきたら目の前に蛇の腐乱〇体。

ちょっとどかしてみるとエンマコガネと思われるコガネムシ上科と大型のハネカクシ、ニクバエと思われる幼虫が大量に蠢いていた。

ちょっと気持ち悪かった。


そこからは宿に向けて急ぎ、夜の暗い峠をひた走る。

結局、宿に着いたのは23時頃であった。

そこからチェックインを済ませ、周辺の街灯を見回る事に。

 


今回お世話になった宿。
The 和 って感じが良かった。

近くのバス停
田舎のバス停感あって好き

そして付近の公園の街灯の下でなんと
ヨコヤマヒゲナガカミキリ

Dolichoprosopus yokoyamai (Gressitt, 1937)

を発見。

発見時既に亡くなっていたがまさか見つかるとは思っておらずマジでびっくり((((;゚Д゚))))

本来標高の高い地域のブナ帯に生息している筈だが今回発見した箇所は標高250m程であり、こんな所に居るの??となった。


その後、宿に戻りビールで乾杯🍺

2日目は快晴の空模様になり、今日は採れるかもとウキウキでポイントを探し始めるも不発...
挙句の果てに遊歩道とは名ばかりの地獄の登山道(登山道とも言えないレベル)を登って見るも目立った成果は無し...

因みに旅館の朝ごはんは美味しかったです(小並感)

いい川なのにな〜ヤナギあるのにな〜なんもついてねーな〜
という事(どういう事)で早々に見切りをつけ福島県の有名ポイントへ。
やはり有名なポイントだけあって人が多い。
いないかもなぁ...となりながらふとブナの立ち枯れの横を見ると
オニクワガタ
  Prismognathus angularis angularis
(Waterhouse, 1974)
を発見。
晩夏に現れる高山生クワガタなのでちょっと嬉しいヤツ。地味に初採集だが、友人のコレクションへ。
その後はブナの立ち枯れの根元にてアカアシクワガタ
Dorcus (Nippondorcus) rubrofemoratus 
(Vollenhoven,1865)
の亡骸ペアを発見。恐らく材割り後に捨てたものと思われるが碌に成果出せてなかったのでお持ち帰り。
この日はここで切り上げ、明日もう一度見に来てみようとなり宿へ。
3日目
朝ごはんおいしい。

ポイントを巡るも不発。
家路に着くことに。
途中高速道路にてゲリラ豪雨に見舞われ前が見えなくなり、おっかない状況になるも無事帰宅。   


反省事項:採集圧スゴイとこはダメかもしんない。 
                 次は人が入らないとこがいいかな?
                 湿地帯は甘く見るとパンツが犠牲になる
      

                              報告は以上です。

お疲れ様です。
また標本が溜まってきたので紹介していきます。

Megasoma gyas gyas(Herbst,1785)
ギアスゾウカブト原名亜種
Brazil Bahia Itabuna 2010.feb
以前パイネにて購入。
かなり破格だった記憶。
Augosoma centaurus (Fabricius,1775)
Cameroon 2019.feb
ケンタウルオオカブト
近縁種にAugosoma hippocrates (ガボンオオカブト)が存在するが、あまり流通している印象は無い。

Chalcosoma atlas hesperus(Erichson,1834)
Philippines Compostela Valley Maragusan
2019.jyn
アトラスオオカブト亜種ヘスペルス
産地であるコンポステラ・バレー州は2019年にダバオ・デ・オロ州へ改名されたとの事。然しながら産地表記ではコンポステラ・バレーが使用されている事が多いのは混乱防止でしょうか?

Chalcosoma chiron chiron (Oliver,1789)
Indonesia Jawa Argopro
2023.Jan
コーカサス(キロン)オオカブト原名亜種
珍しくユーロ式にチャレンジした個体。
Chalcosoma族には日本式とユーロ式どちらが似合うかは未だに判断つきません...

 Purosopocoilus zebra zebra?
Philippines shibuyan.Is Mt.Guiting-Guting
2017.june
ゼブラノコギリクワガタ原名亜種?
ゼブラノコギリクワガタの原名亜種はフィリピンにおいてはパラワン島まででの生息が確認されているが、シブヤン島での記録は聞いた事がなく、産地的にはluzonensisかledaeが近いと考えられる。然し形状はどう見ても原名亜種のそれであり、原名亜種の新産地とする認識が1番それらしいが、これを原名亜種とする根拠もないため今回は?をつけた。

Lucanus flyi (Boileau,1911)
Thailand Doi pha hom pok Chiang Mai
2022 mar
フライミヤマクワガタ原名亜種
Doi pha hom pokとはドーイパーホムポック国立公園の事の様。
シェパンスキーミヤマ(Lucanus flyi schepanskii)はシノニムの扱いとなっている模様。

Lucanus swinhoei(Parry.1874)
Taiwan Sin-pak Pinglin 
2022.June
タイワンヒメミヤマクワガタ
学名準拠だとスワンフォエイとも言うとの事。
前胸部に喧嘩傷ありの歴戦個体。

Purosopocoilus zebra nobuyukii (Mizunuma,1994)
Indonesia Jawa Halimun
2012.Feb
ゼブラノコギリクワガタ亜種ノブユキ
こちらは先程のゼブラとは違いジャワ島の個体群。
比較用に〜と思って購入したが纏足はまだやってない...
Megasoma action (Linnaeus,1758)
French Guiana arr.Cayanne Roura,Cacao 
2023.9〜11
アクティオンゾウカブト
フレンチギアナ産の普通(?)のアクティオン。
以前WILDで同地域の個体群が入ってた記憶。
レックスとの区別は
①後ろ足根元の突起の発達具合
②前足符節と腿節部分の境の形状の違い
③頭角部第一突起の形状の違い
等が挙げられる。然しながら個体差とも取れるレベルの変異であり、相当数の個体を見た上での判断が必要であると考える。


ユーロと日本式の対比。
ユーロ式の方が意外とパランスを取るのが難しいように感じる。

カブト箱におけるMegasomaゾーン。
そろそろ属別で1箱作ることを視野に入れてもいいかもしれない。


では、今日はこの辺で。