「ニンジンの気持ちになったこと、ありますか?」
変な質問、、。
でも、真剣に聞いています。
2006年、私はパリに住んでいました。
そもそも、私がなぜパリに住み始めたかというと、
パリにある料理学校へ留学したからなんです。
では、なぜ料理学校か?
なぜ、パリか?
それは、1999年母が亡くなってから、
料理に興味を持ち始めた私は、
自分で作って自分で食べることの繰り返しの中で、
「自分を癒せるのは自分だ!」と気づき、
それを人に伝えていきたい、と思ったからです。
なぜ、パリか?
というのは、単純にフランスが好きだったから。
生活を変えるためには、
思い切って海外へ行った方が手っ取り早いと思ったからです。
渡仏し、料理と製菓を学んでから、
私はドイツ・フランクフルトでパティシエとして就職。
も〜〜う、朝から夜中まで身を粉にして働きました!!!
で、体を壊しまして。
一緒に、こころも壊れてしまい、パリへ戻りました。
そして私は、壊れた心と体を回復させようと、
食生活から見直すことにしたのです。
料理人ですからね!
一応料理は得意!!!
まず、見よう見まねの薬膳料理。
(これは、その後帰国して本格的に学んだ!)
ローフード・肉を食べない・マクロビ・・・などなど。
日本から本を取り寄せたり、
ネットで調べたりしながら、いろいろ試しました!
そうすると、だんだん調子が良くなったのです。
冷えからむくみがひどかったのも、
ひどい便秘も、ひどい生理痛も改善してきました。
「体って素直〜〜〜♪」
働きかければ答えてくれる!!!
結果が目に見えると楽しいので、
食生活って大切だーと、頑張っていました!
だけど、気がついたんですよね。
体は健康になってきたけど、
「こころは、ちょっとな」と。
気付いてしまったんです、大切なことに!!!!
その頃私は、オーガニックに凝っていて、
真剣に「原材料名」を読んで食品を買っていました。
白い砂糖はだめ!
添加物はダメ!
農薬はダメ!
もともと真面目な私。
かなり神経質に気を使っていたんです。
で、気付いたわけですよ!!!
「私、何か違うんじゃない?」って。
あれはダメ!これはダメ!
って、本当に「そんな風に」選んでいいのかな?って。
そんなある日、
家の近くにあるマルシェへ行きました。
野菜を買おうと、八百屋の前で立ち止まった私。
積み上げられたニンジンの山を見ながら、思ったのです。
「もし、私がニンジンだったら・・・」と。
ここからは、私の妄想です〜
***
もし私がニンジンだったら。
農薬なんてかけて欲しくない。
でも、もしも無農薬ではない畑で育っていたら?
それならそれで仕方がない。
ニンジンとして、立派に成長してやろう!!!
もし、私が八百屋に並べられたニンジンなら?
それなら、料理上手の人に買われたい。
美味しい!!!
と言ってたべてくれる人に買われたい。
食べることが好きな人に買われたい。
だけど、
もし、
そのどれでもなくても、
食べてくれた人の体の中で、
その人が元気で幸せであるように願おう!!!!
***
と、こんな風に思ったのです。
で、なんだか涙が溢れてきて、
あ〜〜、
最後に命を輝かせられるのは、
私たち人間なんだーーって気がつきました!
あれやこれや、
頭で考えて食べてないで、
「美味しい〜〜」
と味わいながら頂こう!!!
ひとつひとつ真剣に選び、
大切に扱いながら料理をして、
美味しく頂こう!って思ったのです。
とは言っても、
そんなことを忘れてしまうこともあります。
長い間、忘れてしまっていた時期もあります。
だけどね、
何かあると、
私は、
あの日のニンジンを思うのです。
tiki
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