タロット研究会講座で
生徒さんがリーディングした事例を
ご紹介いたします。
夫は医者。妻は看護士。
40年ほど前に結婚した。
妻は結婚後、専業主婦として、
二人の子どもを育てあげ、
夫の両親の世話もした。
しかし、夫は浮気を繰り返し、
家庭をかえりみなかった。
あるとき、夫の愛人が家に乗り込んできた。
そんなことがあっても、妻は、
毅然とした態度で対応し、
家庭を守り抜いてきた。
しかし、どんなに尽くしても
夫の遊び癖は直らない…
それどころか、最近では、
退職して年金暮らしだからと、
家庭に入れるお金もギリギリの金額。
しかし、本当にお金がないわけでなく、
相変わらず夫は派手に遊んでいる…。
妻を労う言葉もなく、
何かにつけて罵詈雑言を浴びせてくる。
夫は妻のことを、
「家政婦」とまで言うようになった…。
現在:世界逆+玉エース
夫婦の間は完全に終わっている。
妻は夫から最低限の生活費をもらって、
耐え抜いている。
夫からは、感謝の言葉どころか、
「養ってやっている!」
と罵られる始末。
妻は失意のドン底にいる。
経緯:女帝+杯10
それでもこれまで妻は、
なんとか夫と仲直りし、
平和的に共存できないかと働きかけてきた。
夫と妻の関係がおかしくなったのは、
夫の度重なる浮気に妻がキレてしまったことが原因。
これまで何も言わず耐えてきた妻だったが、
たまりかねて口答えしたことが、
夫にしてみれば許されない事だった。
医者と看護士、
上司と部下のような力関係で
結婚生活をスタートした二人。
妻はいつも夫を尊重し、仕えてきた。
未来:戦車逆+玉6→13+玉9→運命の輪逆+杯7
夫の浪費はこれからも続く…。
退職後も、これまで通りの贅沢を
改めない夫に対し、
妻は家を出る決心をするだろう。
実際に、妻は友人に、
離婚して故郷に帰り、
看護士の仕事をして暮らそうと思う…
と、話していた。
しかし、未来の最後のカードは運命の輪の逆。
60歳過ぎてからの再就職は難しい。
また、妻が家を出てしまうと、
たがが外れた夫は、
さらに酒と女に溺れ、
状況はますます悪化していくだろう。
アドバイスカード
①愚者+玉3→節制+玉8
妻が仕事をすることは悪くない。
ただし、離婚して実家に帰るのではなく、
近所で探すと良い。
愚者は歩いて通える場所を示している。
仕事は節制→看護士の仕事を指している。
補助カードは玉3と玉8なので、
これにより妻は自由になる
お金を手にすることができる。
②皇帝+玉2→星+杯エース
もともとケチな夫は、
妻がアルバイトして収入を得ることには
反対しないだろう。
夫が妻に酷い態度をとるのは、
妻が自分に楯突いたことが気に入らないから。
力では夫が上なので、まともに張り合わず、
昔のように謙虚に仕えると、
夫の暴言は治まる。
アドバイスカードを全体的に見ると、
皇帝→星→節制→愚者
という視線の流れになっている。
愚者は歩き始めるという意味もあるので、
カードは、妻が働き出すことにより、
節制、星、皇帝という良い人たちに
巡り会える可能性があることを示唆している。
小さなことに拘ることをやめて、
広い世界へ出ていきなさいという
アドバイスにもとれる。
アドバイスカードは、
逆位置のカードを
正位置に導くためのカードなので、
世界逆→狭い世界
戦車逆→動けない
運命の輪逆→負のスパイダル
が、妻を不幸にしている要因ということを
示している。
つまり、その逆のことをすれば良いのだから、
妻は、広い世界に出て自由に動くことが
問題解決の近道となる…と、
カードは告げているのだ。
ここで、再度、
カード全体を眺めてみると…
補助カードは玉と杯しかない
この問題の背景には、
お金と愛が絡んでいることが
ハッキリ示されている。
妻を示す女帝の補助カードは杯10
夫を示す戦車逆の補助カードは玉6
と、いうことからも、
愛情を価値基準とする妻と、
お金を価値基準とする夫との
平行線が浮かび上がってくる。
どうせ平行線なら争っても無駄なこと。
また、ずっと専業主婦をしてきた妻が、
今さら独立しても上手くいかない。
ズボンが破れていても気にしない
愚者のように、
あなたはあなたで自由に生きていきなさい。
と、タロットは告げているのだ…
そのぐらい、ふてぶてしくなれると、
どんな環境でも
明るく生き抜けるのかもしれない。