ジャワ島・ボロブドゥール遺跡3 荘厳なる朝日 | キリギリスのつぶやき

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キリギリス体質な社内通訳者の悪戦苦闘な日々のつぶやき・・・  
   

広辞苑を引いたら、
御来光とは:高山で望む荘厳な日の出の景観を敬っていう語・・・なんですって。

ボロブドゥールは高山ではないけれど、遺跡の正面の彼方に巨大火山があり、その山の向こうから朝日が昇るのを観ることが出来る。でもこういう場合は御来光ではないのかな?


アンコール・ワット見学の弾丸ツアーでは、夕景を観に行けば、命の危険にさらされ(→この辺)、べらぼうに早起きして朝日を観に行けば不発(→ココ)・・・と、全くもってお日様晴れのご加護のない旅になり、心底がっかりダウン

でも、仏教の教えにもあるではないですか、
「一切衆生の、全ての苦しみは、煩悩より発する」・・・と。
The suffering for all sentient beings is caused by desire!!

だからね。余り欲しがっちゃいかんっちゅーことですよ、はい。
朝日観たいなぁ~、絶対見たいなぁ~、ってか、マジで見たいなー・・・とか、ダメだってばNG

今回は、4:30amに集合し、朝日ツアーに参加しました。ホテルが遺跡のすぐ側なのでね、歩いて向かいます。懐中電灯を渡され、その光を頼りに、ヤモリの大群に怯えつつとかげ暗闇を進みます。

まだ目が覚めない早朝に、朝飯前の階段登り・・・いや、本気に朝飯の前なので、朝飯前にラクチンには登れませんね・・・(すまん、オヤジギャグぎりぎり?)


遺跡の頂上、中央の巨大ストゥーパ辺りで待つこと数十分。
東の空がうっすら明るくなり始めました~~。

嫌な予感汗
だってね、だって。アンコール・ワットの時もコレでしたよ。霧と雲が出ていて、朝日が昇って来ても、阻まれて、ただ辺りがぼんや~り明るくなったのみ。

これって、Deja Vu??

いやいや、それでも、朝もやに煙るボロブドゥール遺跡だって、充分に高潔な美しさを湛え、そのピンと張った様な空気と相まって、存分に美しいではないですか!

キリギリスのつぶやき

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それにね、早朝ツアーには大勢の人が参加していましたが、それでも6:00amより始まる一般公開よりは空いているわけです。だから、写真撮影もなかなか良い絵が撮れます(他の観光客が写りこまない)。

そんなこんなで、早朝撮影会もほぼ30分程続き、そろそろ下に下りてホテルで朝食でも・・・と思い始めたその時!!



奇跡の様な朝日が!!!!

・・・・

・・・・今回は本当です。(アンコールの時もこの手を使いましたがね)


キリギリスのつぶやき
火山の裏から顔をだしつつある、朝日。朝日を受け、黒々と濃い影となる遺跡・・・

ありがたや、ありがたや~~~晴れ




さらに、こんな感じ~音譜ラブラブ音譜
キリギリスのつぶやき キリギリスのつぶやき

このボロブドゥール遺跡、昨日からキリギリスが力説している様に、この世の摂理を全て解き明かす、巨大立体曼荼羅なのです。そして、最下段より順にレリーフを見ることにより、仏典を学び悟りの境地に至る・・・そうした教育ツールでもあります。

おびただしい数のストゥーパには全て仏像が入れられているのに、最上段の中央で一番大きなストゥーパには、何も収められては居ないのだそうです。

つまりは、空。

「この世は全て幻。物質も人も幻であるなら、物欲やその他全ての煩悩も無駄と心得よ」という、仏教の本質的教えを表現しているのかもしれません。


でも、この美しい朝日に照らされた遺跡を見るにつけ、本当にこの全てが幻なのかな?うまうまして嬉しい~!!の自分も全て????・・・となかなか謎が深まるのであります。

まだまだ悟りには遠い・・・

でも、美しいものは美しい。美味しいものはありがたいし、素敵なものには心が躍ります。
この世が全部、空であっても、夢幻であっても。ここに、幻を知覚する自分が実在する限り・・・ 見たり聞いたり触ったり、食べたり飛んだり登ったり、じたばたしつつ、色んな経験をして行きたい。

そう思います。でもこれも一種の煩悩? 

なかなか悟りきれない、キリギリスであります。