おじいちゃんはパパのお父さんで、はじめての孫のAちゃんを可愛がった。

 Aちゃんの入学のお祝いの席で幅広のピンクのリボンで髪を結い、フリフリの紺色ワンピースのAちゃんを“ホッカリ”と両膝の間に抱いてくれた。

 『Aちゃんもうすぐ一年生なのにいいのかなぁ?』とみんなに笑われ、二人共ニコニコ。滅多に会うことのないおじいちゃん。

 もういないおじいちゃんの墓前に草花を摘んで、パパとママに挟まれ手を合わせた。

 途中、ママのお父さんのお墓参りもした。

 パパが一本だけタバコに火をつけてお供えした。

 パパもついでに一本タバコを吸っていた。

 パパとママの結納の席でママのおじいちゃんが『来年は孫に会えるかなぁ。』と楽しみに話していたと聞かされている。

 Aちゃんは、いっぱいお参りしているのにちっとも抱っこしに来てくれない、と思ったりていたけれど、そんなことはありえないとも思っている小1の時のお話。

 

 パパは会社からほとんど定刻に帰ってくる。

 玄関の音がして、 Aちゃんは

 『パパ、お帰り~!』

 とまとわりつこうとしてやめた。

 『パパは疲れているんだから邪魔しちゃダメー!』

 またママの声掛け干渉が始まった…。

 

つづく

 

※今夏の天候不順で被害に遭われた生産者のみなさまのご回復をお祈り申し上げます。

 カエルのお墓の件はなんとなく治まったけれど、代わりに担任の先生、パパ、ママとの間には薄いカーテンを引かれたような気持ちでAちゃんは過ごしている。

 学校帰り、一人ぼっちの田んぼ道にしゃがんで、コトコト流れる細い水路に黄色い小花をちぎっては流す。Aちゃんは草の流れと一緒に首を垂れてノロノロ歩む。

 大人から見たら『あの赤いランドセルの子、変な子。』と思われても仕方ない。

 Aちゃんはおじいちゃんとカエルのことをまだ納得できないでいる…。

 今日もおうちに帰ったら『ただいま!』とママに元気にいおう。

 

 友達が駆け足で通り過ぎた。

 『Aちゃん、グルグル公園で遊ぼう!宿題終わらせたらね!』

 『いいよ!』

 グルグル公園はAちゃんのおうちの隣にある調整池。遊具も何もないけれど、子供たちが遊び回れる楽しい公園だ。

 遊びに出る時、ママはいつも『早く帰りなさい、パパ帰ってきちゃうから!』という。

 休みの日のパパは、Aちゃんのベッドでお昼寝するらしい。

 ベッド脇の机の上には、吸い殻がたまった灰皿やAちゃんには興味のない本が読みっ放しで置かれている…。

 

つづく

小学2年生のAちゃん。

校庭のすみっこでカエルが亡くなっているのを見つけました。

お墓に眠るおじいちゃんを思い出し、カエルが好きなビオトープの水辺のそばにお墓を作ってあげました。

数日後、急に大雨がやってきて、Aちゃんはカエルのお墓が流されないかと心配になりました。お墓に駆けつけました。

授業が始まるチャイムが鳴ってもAちゃんは教室に戻って来ませんでした。

先生やお友だちみんなで探し回ってビオオープでしゃがみ込むAちゃんを見つけました。

 

先生:そんなところで何やってるの!

Aちゃん…。ごめんなさい。

 

Aちゃんを迎えに来るようにとママは電話で呼び出されました。

おうちに帰ったAちゃんは、パパとママにいーっぱいお説教されましたが、うまく説明できませんでした。

ママはいつも絵本の読み聞かせをしてくれたり、色々なサークルに連れて行ってくれるので、一番の味方で大好きでしたが、Aちゃんが何かする度に『またパパに怒られる!』とヒステリーを起こします。

優しかったおじいちゃんを思い出しただけなのに…。

 

つづく