【ももクロ仏教】 ティハ 著
[3回目/全3回]
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■れにちゃんとの出会いは億千万の時空を超えて

 大トリはれにちゃんである。ちなみに私は紫推しであるので、そこをご理解いただいた上で読んでほしい。

 さて、れにちゃんを仏様に例えるならば、やはり「菩薩」から選ぶだろう。既に日常的にその呼称が用いられていることは、誰もが知るところであり、この表現の似合い加減で高城れにに適う者はいないと(紫推しは)断言する。
 しかしながら、その代名詞である「観音菩薩」は冒頭で述べたとおり、私の中では「ももいろクローバーZ」5人を指す仏様なのである。
 またもや余談になるが、観音菩薩は、真言宗系では「聖観音、十一面観音、千手観音、馬頭観音、如意輪観音、准胝観音」と六つの観音様に分けることがある。
 「6人の観音様」→「無印時代」に置き換えることもできよう。誰がどの観音様かはわからないが、なんとなくひとつだけ思い当たる節があるのは私だけではあるまい。



 というわけで、観音菩薩を除外して、れにちゃんを菩薩に当てはめるわけだが、別に悩む必要もない。
 「高城れに=弥勒菩薩」・・・これは、このお話を書く遥か以前から、私の中で確信している「事実」なのだ。その存在、役割、容姿、すべてがれにちゃん、まさしく「まるごとれにちゃん」なのである。
 弥勒菩薩はお釈迦様(現在のブッダ)の次にブッダになることが約束された菩薩(未来仏)である。したがって、将来的には菩薩から「如来」になるわけであるが、それはまだ先の話である。年齢とともにその魅力を増大させるれにちゃんはまさに「未来仏」といえよう。(もちろん他のメンバーも年々魅力的になっているとは思っている)

 ちなみに弥勒がブッダとして人間界の救済を開始するのは「56億7千万年後」らしい。ちょっと気が遠くなる。

 お釈迦様が亡くなった後、世界を救うのが「地蔵と弥勒」ということは、私の妄想で言うと「推され隊」ということになる。つまり近い将来、もし世界の秩序が乱れた時には人間は皆「事務所に推され隊」に「救われ隊」になるのである。


 さて、そんな壮大なスケール感の弥勒菩薩、じつはあまり仏像としての造形例は多くない。日本の(特に仏教の)歴史においては、実はあまりトレンドにならなかったようなのである。そういう意味では、高僧にあまり「推されなかった」のかもしれない。(自分の極楽往生を求める仏教徒に対して、未来仏という概念は少し早かったのだろう)

 ではどんなお姿をされているかというと、仏教ブームの鎌倉、平安、奈良時代を超えて飛鳥時代まで遡ることになる。つまり仏像としてもここに列挙してきた様々な例の中で「最年長」だ。
 そしてそれは見る者全ての心を奪ってしまう御姿でいらっしゃる。国宝、京都「広隆寺・弥勒菩薩像」、国宝、奈良「中宮寺・菩薩半跏像」この2尊を見たことがない方はいないのではないだろうか。(後者は弥勒と断言できないのだが)





 右足を曲げて左膝の上に乗せ、右手の指を頬に当てて物思いにふけるような半跏思惟像(はんかしいぞう)
 その表情は物思いにふけているようでもあり、微笑んでいらっしゃるようにも見える。芸術の分野ではこれを「アルカイク・スマイル」と呼び、彫像としても世界的に高く評価されているのである。

 つまり、そう、だからこそ!「笑顔が一番」というキャッチフレーズは、もはや「高城れに=弥勒菩薩」を裏付ける証拠に他ならないのである。




 オチをつけておくと、広隆寺の弥勒菩薩像、ずいぶんと昔の話ではあるが、拝観に来た学生がつい美しさに魅せられ、頬ずりしようとして右手の薬指を折ってしまった、というエピソードがある。指と手首ではだいぶ違うかもしれないが、折れちゃったというのは・・・多分偶然だと思われる。
 実は私もまだそのお姿を生で見たことがないので、早くお参りできる日を心待ちにしている。(当然ながら今は触ることはできない)


~あとがき~
 いま、日本は仏像ブームです(というかパワースポットブーム?)。御朱印帳を持って神社仏閣を参拝されている方も多くいらっしゃって、つい時々図々しくも自分の知識をひけらかしてしまうこともあります。ま、このエッセイがまさにその典型といえますが。
 日本人は「無宗教」なんて言う人もいますが、別にそれでいいと思いますし、私も別に「宗教家」ではないんです。「こころ」が喜ぶものであればなんでもウェルカムであって、仏様だけでなく神社だっていっぱい巡ります。さらには西洋宗教にも興味があるし、新興宗教だってまるっきり否定するつもりもありません。
 とにかく「こころ」を大切にしたいが故の行動であり、追求をしていたいのです。
 その点では「神社仏閣巡礼」も「ももいろクローバーZの応援」も、私の「こころ」が喜ぶからこそ、いつまでもやっていこうと思っています。

 しかし、本当にももクロを応援するようになってから生活が「良い方向」へ変わりました。
 これを読んでくださった皆様と知り合うことができたから、というのも大きな大きな一因です。そして5人のメンバーとチームももクロの関係者様は素晴らしい。ファンに寄り添ってくださるその運営方針がいつまでも続いてくれることを切に願います。

ほんものの奇跡は よい因果応報の果て
奇跡じゃなくて自分の中からみちびく未知の力
「感謝をこめて」

 ももクロから贈られたこの言葉、いつか同じ言葉を添えて、彼女たち、また彼女たちを通じて出会ったすべての皆様にお礼ができたら・・・
 そんな思いを込めて、このあたりでペンを置くことにいたします。
 もしよろしければ感想をお聞かせいただけますと嬉しいです。

【南無大慈大悲観世音菩薩】


※一部解説にWikipediaの文言を使用しています。
※学説などは諸説あるうちの一部であり、事実とは異なることもあります。
※宗派ごとに教義が異なりますので、ご自身の仏事においてはその作法に従いましょう。 




■さいごに
この作品は、2017年6月15日放送の「ももいろフォーク村NEXT」高城れにさん生誕祭企画へのプレゼントとして、HN:泥酔天使様が作成された「ももクロ妄想話」に寄稿させていただいたものを修正して「くだらない部分」だけを抜粋した内容となっております。
 企画者の泥酔天使さん、また同志の よしよしさん、ジキ・スズキさん、つばめさんにこの場を借りて御礼申し上げます。

2017年6月吉日 ティハ