【ももクロ仏教】 ティハ 著
[1回目/全3回]
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~overture~

 私はももいろクローバーZと出会うまで、「御朱印ガール(?)」でした。今でも集めていますけど 首都圏に住んでいるので、東京都内の有名な神社・古寺名刹は手前みそではありますが、ほとんど巡礼をさせていただきました。そちらの方面に興味のある方は是非いつか語り合いたいのでご連絡ください。
 さてその中で、私はすでに「江戸三十三観音霊場巡礼」を満願(コンプリート)しております。浅草寺から始まって目黒不動尊(龍泉寺)までの都内の観音霊場で「観世音菩薩」のご利益を賜るべく巡礼するのですが、まあ一応「人生も折り返すにあたって、後半も有意義な生活がおくれますように」なんて漠然とした願いを込めて「南無大慈大悲観世音菩薩」と唱えながら巡ってみたわけです。(2013年夏頃のことです)
(まさか数年後に高城れにさんが「タカさんの江戸三十三観音巡り」という企画をやるなんて…。しかもこの企画、未完?)

 そういうわけで、2013年の夏頃の私の推しメンは「観音菩薩」だったわけですが(般若心経も暗記しています)、実はこの頃、すでに近場で行きたいお寺も行き尽くした感があって、困っていました。そんな時、いつものようにパソコンで「よい寺はないか?」と検索しようとしたら、なんと突然に観音様からのご利益・功徳を賜ったのです。
 なんと、パソコンの画面に煌びやかに5色に輝く観音様らしき女の子たちが降臨したのです。
 導かれるようにリンクを辿ると「あなたに会いたいよ~、旅路は永遠の彼方~」と歌い出し、踊り出し、信仰の対象のはずの仏像がまるで時空を越えてそこにいらっしゃるような別次元の感覚を抱きました。

 もうおわかりの方もいるかもしれませんが、これはシングル「GOUNN」の発売前のプロモーションのひとつ(YAHOO!トップページジャック)だったようでして、この日以来 私は「神社仏閣」以外に「ももいろクローバーZ」に興味を持つようになるのです。
(紅白初出場の時はテレビで見ていましたが、その時はすみません。まだ頭が固かったようです)


「今会えるアイドル」→「今会える偶像」→「今会える仏像」

 私にとって、今回の作品タイトルにした「ももクロ」と「仏教」にはこのような関係性があるのです。
 というわけで、ここからは本題に入って、私の信仰する「観音菩薩」について、さらに深く掘り下げてお話をしたいと思いましたが、それでは誰も読んで下さらないので、ももクロメンバーそれぞれを「奥深き仏教の世界」に準えて、妄想の話をしていきたいと思います。

 なお、ひとつだけ申し上げますと私は「宗教家」ではなくて「御朱印ガール(?)」なので、その知識は浅く広いだけで、いささか信憑性に欠けますので、その道を追求されている方がいらっしゃいましたら「慈悲の心」で受け流してくださいます様お願い申し上げます。


<M1>
■百田夏菜子は大日如来に違いない

 平安時代の高僧、弘法大師・空海が日本に持ち帰った「密教」は、仏教ファン(信者ではなくファン)にとって絶対的な宗派である。
 その教義が云々とかではなく、「曼荼羅」と呼ばれる仏教世界を描いた図案は見るものを魅了して止まない。また仏像ファンが垂涎する「憤怒」「怒髪」「多面多眼多臂」といった異形の仏像のほとんどは密教と関わっている(仏像パワーがダントツの京都の東寺(教王護国寺)も弘法大師のお寺である)。
 私を導いた名曲「GOUNN」のコンセプトとして描かれた各種素材にも「曼荼羅」から取り入れたであろう意匠が散見され、世界の石川ゆみ先生の振付にも曼荼羅を意識した箇所がある(これは私自身がTwitterでゆみ先生に個人的に確認したことなので間違いない)。




 その曼荼羅において、また密教の教えの中で、「主尊」とされるのが大日如来なのである。 

 人間界の「最高仏」がお釈迦様だとすると、大日如来は宇宙空間の「最高仏」といった例えがわかりやすいだろうか。
「無限宇宙の全一」とも言われ、その「絶対的なセンター」としての存在感は夏菜子を想起せずにはいられない。

 また「護摩行」などで私たちにも馴染み深い「不動明王」は、大日如来が衆生の世界に下りてきた時の姿と言われ、全ての煩悩を焼き払うという。邪心を取り払い、悪神を打ち破る明王たちの中には「五大明王」と呼ばれる「怒りの仏様軍団」がいるのだが、ここでも不動明王は絶対的なセンターなのだ。



 日本においては神仏習合の中で、その最高仏としての存在感を保ったまま取り入れられて、山岳信仰の場合には「富士山」、日本古来の神道に準えた場合には「天照大神」と同一視されている。そしてそれはすなわち「太陽神」という呼び方もされる。
おひさまかなこちゃん」も要するに「太陽神(の妖精)」であり、もうこりゃ「もしも」なんてレベルじゃなくて、「夏菜子=太陽」ということは「無限宇宙の全一」であるといっていいのではないだろうか。



 これは仏様の話ではなくて、神話(古事記)になってしまうが、天照大神が天岩戸に隠れてしまい、世界が闇に包まれる…というお話がある。八百万神は皆困り果て、色々と企てた結果、なんとか天岩戸から天照大神を引っ張り出すのだが、その引っ張り出す役目をするのが「天手力雄神(アメノタヂカラオ)」なのである。
 2014年の桃神祭day2のオープニング・・・あれを見ていると、私は古事記のこの神話を思い出してしまう。そして夏菜子が神々しく見えて仕方ないのである。

 ちなみに大日如来の仏像は、釈迦・阿弥陀・薬師といった他の如来と比較すると若干造形例が少ない。あまりに尊すぎるからだろうか? その分、不動明王の造形例は多く、厄除けなどでお世話になっている人もかなり沢山いらっしゃると思う。○○大師、○○不動、と名の付くお寺は、つまるところ「大日如来」に護られているわけだ。



 ちなみに大日如来は「智拳印」という、仏の智慧の境地に入ることを表す手の組み方をしているのが特徴なのだが、この点について、少しだけ夏菜子と大日如来に相違があるということを最後に付け加えておこう。多分、夏菜子ちゃんが「智拳印」を知り、その印相(手の形)を真似した時、御額様の額に巨大な「白毫(仏像のおでこの凸)」が現れるのではないだろうか?と私は妄想している。
(普段「バカ」と言われているが、実はまだ真の実力は隠しているに違いない)



つづく→②